経済資料協議会 見学会・研究会報告
日時:2004年3月17日(水)
会場:大東文化大学(板橋校舎)
参加者(機関)
朝倉美恵子(北海道大学)
今野茂代(小樽商科大学)
青柳英治(アジア経済研究所)研究会のみ
高橋理恵(アジア経済研究所)研究会のみ
村井友子(アジア経済研究所)研究会のみ
舩山 康(中央大学)
荒木康裕(中央大学)
金津有紀子(中央大学)研究会のみ
西村雅史(法政大学)
小川喜久雄(東京経済大学)
村田暁彦(立教大学)
渡邊洋一(早稲田大学)
白井 亨(京都大学)
大庭平四郎(山口大学)
杉本俊朗(特別会員)
松本脩作(特別会員)
武者小路信和(特別会員)
鈴木芳博(極東書店)
渡辺典章(極東書店)
見学会15名、研究会19名参加
1.図書館見学 午後1時〜2時半
図書館部長の小野隆氏ほかスタッフの案内により、昨年9月に新装開館した図書館を見学した。
窓を大きく開けた明るいスペースで、たっぷりした閲覧スペースや、屋上にはミニ庭園もあった。
エレベーターもあるが、各階は吹きぬけ内の階段で結ばれ、けっこう高度感があった。
都心型キャンパスであるが緑化に配慮し、キャンパス全体を森にする計画が進行中。
自動化書庫に最も興味が集中したが、大体以下のような仕組みだった。
・受付カウンターの一隅に資料の出入り口となる機械がある。
・資料は受入順にカゴのような無蓋の箱に入れられ、箱の番号で管理される。
・資料データを検索し箱の番号を調べ、その番号を機械に入力すると、機械が箱を探し出して来る。
・箱の捜索は1分程度だが、順番が詰まっていると時間がかかる場合もある。
・箱の位置はモニターに映し出され、現在地がわかるようになっている。
・書庫自体は人間が入れる構造にはなっていないので、万一電源が作動しないとほとんどブラックボックス化する。
・大型本は入れられない。
・問題点もあるが、普通に使う限り、人手による出納より速くて正確なように思われた。 写真
2.研究会 午後3時〜5時 3号館111番教室
講 師:安形麻理(慶應義塾大学大学院生)
テーマ:古典資料のデジタル化
図書館のホームページで貴重資料のデジタル画像を公開しようとする場合に、考えなければいけない事柄、たとえば資料を傷めない撮影方法、色の再現、画像を勝手に利用されないための方策、画像のファイル形式・容量、公開・提示方法などの実務的な内容と、デジタル画像を利用した研究の実際および可能性などについて取り上げた。
講師はグーテンベルク聖書のデジタル化に深く携わっており、ハード面、ソフト面の両面にわたり、豊富な実体験に基づいた興味深い話が聞けた。ある意味、デジタル技術進歩の歴史でもあると感じた。
特に「校合」すなわち異なる版における細かい相違点を調べる方法について、画像の重ね合わせにより差異を明らかにする方法が、いかにもデジタル時代にふさわしく、面白いものであった。
個人的な感想としては、
・デジタル化により、質的に差異のないものが広く世界に提供されることとなる。
・デジタル資料と言えども、最終的に判断するのは人間の眼である。
・紙そのもののキャラクター(材質、透かし、重さなど)までは再現不可能なのでは?
・文字情報そのものの探求(校合)のためには、将来にわたり重要なデータとなる。
・おそらく凡そ貴重書に関しては将来は、このような利用のし方が普通になるのだろうと感じた。
例えば「レオナルド・ダ・ビンチの手記」のオリジナルや、バッハやベートーヴェンの自筆譜などが、こういうことで電子出版されたら素敵だな、などと思ったのでありました。
参考:
慶應義塾大学HUMIプロジェクト
http://www.humi.keio.ac.jp/japan/contents-f.html
ユネスコ図書館・文書館におけるデジタル化に関するガイドライン
http://www.unesco.org/webworld/public_domain/projects/digitization.shtml
『欧州におけるデジタル化の協調』
http://www.minervaeurope.org/publications/globalreport.htm
JDAAによる『デジタルアーカイブ白書』と『デジタルアーカイブ権利と契約の手引き』
http://www.jdaa.gr.jp/
☆研究会終了後、東武練馬駅近くで和やかに懇親会が行われた。
P.S.
長老の杉本俊朗先生が前回(2003.12.3)に引き続き、今回も参加されました。御年90歳にして、かくしゃくとされておられます。これからもお元気で、若い衆?をよろしくご指導下さい。
今回の講師の安形麻里さんと中央大学の金津有紀子さんは、偶然にも大学時代の同級生でした。思わぬ再会を喜び合っていたお二人でした。
以上 (文責 舩山)