理事長に再任されて
飽 戸 弘(東洋英和女学院大学学長)
このたび,日本行動計量学会理事長に再選され, さらに3 年,重責を任されることになりました。 よろしくご指導・ご支援のほど,お願いいたしま す。1 期目の3 年間はあっという間に過ぎ,先輩 諸氏が築き上げてきて下さった学会の理念,行事, 慣行などを,なんとか維持していくことで精いっ ぱいでした。2 期目の3 年は,今までの蓄積を基 礎にさらなる発展の年にしたいと考えています。 会員の皆さんの積極的なご提案,ご協力を,切に 期待しています。
前回,わたくしが理事長に就任したときに最初 にお願いしたことは,少数の会員の方々があまり に多くの仕事を長年担当しておられる状況を,ま ず改革し,役員の皆さんの負担をできるだけ分散 し,より多くの会員のみなさんに学会へのアイデ ンテイテイーをもっていただくことを考え,ご協 力いただきました。おかげで委員長はほぼ全員, 交代していただきました。今回も1 名を除いて委 員長は全員交代していただき,4 月の第1 回理事 会で,新体制を発足することができました。まず は皆さんのご協力・ご支援に感謝しています。
昨年は,学会創立35 周年に当たるため,3 つ の大きな企画・行事が行われました。
第1 に,9 月2 日-4 日に成蹊大学で行われた年次 大会において,「35 周年記念シンポジウム」とし て,1)行動計量学的アプローチとはなにか,2) 社会調査の現状と課題,という2 つのシンポジウ ムが行われ,多くの参加者による活発な議論が交 わされました。第1 シンポジウムは,まさに本学 会の歩みを振り返り,われわれに与えられた課 題・使命は何かが問い直されるものでした。第2 シンポジウムは,本学会が日本社会学会,日本社 会教育学会と協力して昨年12 月に立ち上げた 「社会調査協会」の責務と課題を検討することも 含めて,今日における社会調査の問題点について, 熱心な議論が交わされました。
第2 に,『日本行動計量学会35 年記念誌』を, 9 月の大会に合わせて刊行ました。約80 名の会 員のみなさんが,学会の思い出や学会への期待・ 要望などを寄せて下さり,100 ページを超える記 念文集が出来上がりました。また本学会のメンバ ーが執筆した「行動計量学シリーズ」,全13 巻が, 1993 年から1996 年にかけて完成していますが, その続編ともいうべきシリーズ「行動計量」,全 10 巻が,今年から刊行の予定です。学会の会員 の皆さんのさまざまな研究成果が,こうしてまと まっていくことはたいへん喜ばしいことです。
第3 に,本学会の「データアーカイブ」ともい うべき資料集が,学会のホームページに,大幅に 増補・再編され掲載されました。本学会の「大会」 については,1973 年の第1 回大会から,昨年の 第36 回大会まで,「シンポジウム」については, 1974 年の第1 回シンポジウムから,最近の第94 回シンポジウムまで,そして合宿形式による「春 の合宿セミナー」も,1998 年の第1 回から本年 の第12 回セミナーまで,すべてが収録,公開さ れました。「会報」については,会員専用ではあ りますが,1973 年の第1 号から,最新の2008 年度の第120 号まで,全文が収録され,公開しま した。学会の歩みを振り返る上での貴重な資料ば かりであり,学会としても大きな一歩を踏み出す ことができました。
3 年前,理事長に選出されました時には,他学 会との協力・連携体制をさらに強化していきたい ということを申し上げました。社会調査協会の設 立はまさにその延長上にあると言っていいかと 思いますが,この方面では,あまり進んでおりま せん。本年度以降さらに,今までのこうした学会 活動の基礎を踏まえて,いくつかの懸案の新規事 業をスタートさせ,さらなる飛躍の年にしたいと 考えています。学会員の皆さんのさらなるご支援, ご協力を,心より期待しています。