日本粘土学会ってどんな学会?
 日本粘土学会は、粘土およぴ粘土に関連する物質の基礎・応用の研究とその成果の普及、交流を促進するための学術団体です。
 粘土は、私たちの住む地球の表層(地殻)に広く分布するとても身近かな物質です。粘土と人間とのかかわりは古く、紀元前の焼き物や日干しレンガにその一端を見ることができます。現在では、粘土は産業の基礎材料として、セラミックス、製紙、プラスチックス、原子力、土木・建設、農薬、医薬、化粧品など非常に多岐にわたる分野で利用されています。また、産業の先端材料として、ナノコンポジット、光記録材料、薄膜材料、触媒などの分野での利用も進められています。このように多くの分野での利用を可能にしているのは、粘土のもつ無機高分子としての多様な性質によることはいうまでもありません。一方で、粘土は地球システムを構成する重要な物質として、生命の誕生や地球環境問題と密接に関係し、過去数十億年の地球の歴史を解明するキー物質としても注目されています。
 日本粘土学会は、粘土の基礎研究から応用までを総合的に扱う日本で唯一の学術団体として、国内外から高い評価をいただいております。科学技術のめざましい進歩にともない、時代の要請に適合した学会のあり方を絶えず追求し、より活力のある学会をめざしています。粘土学会の趣意をご理解いただき、多くの方々がご入会されることを心よりお待ち申し上げます。

どんな活動をしているの?
会誌:和文誌「粘土科学」を4回/年発行
   欧文誌「Clay Science」を2回/年発行
討論会:1回/年開催(内容は、研究発表会、
    シンポジウム、講演会、総会など)
見学会:原則として1回/年開催
研究グループ:ベントナイト試験法研究グループ、
       セピオライト資源利用研究グループ
粘土試料頒布:主な粘土鉱物の標準試料とその
       基本データを提供

最近のシンポジウムのテーマは?
 平成 2年 粘土科学のフロンティア
 平成 3年 粘土研究―私の考え方と方法論
 平成 4年 機器、解析技術の進歩と粘土科学
 平成 5年 粘土鉱物学の新展開
 平成 6年 シミュレーションの役割
 平成 7年 粘土科学とミクロ科学
 平成 8年 21世紀に向けて
 平成 9年 自然から学ぶ素材合成
 平成10年 環境と粘土
日本粘土学会の歴史は?
 昭和32年 第1回粘土科学討論会開催
 昭和33年 粘土研究会創設
 昭和35年 欧文誌「Clay Science」発行
 昭和36年 和文誌「粘土科学」発行
 昭和38年 日本粘土学会創設
 昭和42年 粘土ハンドブック 第1版発行
 昭和44年 第3回国際粘土会議開催
 昭和62年 粘土ハンドブック 第2版発行
 平成 9年 粘土の世界 第1版発行
 平成12年 粘土の世界 第2版発行
 平成13年 45周年記念式典挙行

会員はどんな人達?
 粘土は重要な地球構成物質であると同時に、私たちの生活を支える大切な産業資源でもあります。また地球環境の保全物質として機能したり、生命の誕生とも深いかかわりをもっています。そのため、日本粘土学会の会員は、
 1) 地球科学分野
 2) 資源分野
 3) 無機材料分野
 4) 化学・物理分野
 5) 土壌・肥料分野
 6) 建設・農業土木分野
など、きわめて広範な研究分野の人達で構成され、会員数は学生会員を含めて500名に達します。所属先も大学の理学系、工学系、農学系や国及び県の研究機関、民間のメーカーや研究所、資源及び建設・土木関連企業など非常に多彩です。また、最近は学生会員や若手研究者の会員も活発に活動されています。日本粘土学会ではこれらの人達が粘土や粘土関連物質について様々な分野から研究を行っているため、これまで触れることのできなかった新しい研究手法や研究成果に接することができます。

粘土はどこで利用されているの?
○セラミックス工業
 陶器、磁器、タイルの原料、鋳物砂型結合剤、ファインセラミックス
○製紙工業
 紙の表面コーティング材や内部充填材
○化学工業
 プラスチックやゴムの性質改良材、触媒、塗料やインクの増粘剤、
 化粧品や医薬品の増粘剤や吸着剤
○建設・土木工業
 地盤強化注入剤、地下水の止水剤、掘削用泥水剤、内装壁剤、軽量骨剤
○農業
 土壌改良剤、肥料や農薬の増粘剤や分散剤、水田の漏水防止材
○環境保全
 廃棄物処分場遮水材、放射性廃棄物処分の緩衝材
この他にもたくさんの利用方法があります。日本粘土学会では、地球にやさしい天然資源である粘土の基礎研究から粘土を利用した21世紀を担う新素材の開発まで、様々な研究が進められています。