平成14年度 論文賞 著者代表等へのインタビュー

 

『仮想力伝播に基づく協調マニピュレータの分解制御』
(精密工学会誌2001年2月掲載)

慶應義塾大学 理工学部 システムデザイン工学科
専任講師 矢向高弘先生
教 授 大西公平先生

 

矢向先生:

受賞論文について
アーム型のロボットの先端にこういう速度、こういう力を出させたいと考えた場合に、最初のモータはどれだけのトルク、次はどれだけと、ヤコブ列を用いて計算すると計算量が多くなってしまいます。こういう力を出したいという場合には、逆算して、このモータにはこれだけの力、次のモータにはこれだけの力ということを順次やるので、全ての情報を予め知っていないといけないのです。モータが少なければよいのですが、どんどんモータをつなげて先端に微妙な運動をさせようとすると、計算量が多くなります。
今回の論文の主旨は、全体の構造を全く知らなくても、各々のモータが、自分はこれだけのことができる、後は下のモータに任せましょう、ということを勝手に考えるのです。そうすると最終的な目標が何とか達成されるのではないか。そんな風に分散的に計算する方法を考えたわけです。先端に10の力を出すときに、最初のモータが今は2しか出せない場合、残りの力は後ろに任せます。次のモータは8のうち3しか出せなければ、残りの5は更にその下に任せる、というように進めて行きます。
この論理を思いついた理由は、ヤコブ列を使いたくなかったからです。モータが沢山つながっている蛇のようなロボットがありますが、そのロボットで実験をしました。とにかく全体のことを知らなくても制御が出来るのが強みです。今までは、集中管理と言うか、一番上に偉い人がいて、おまえはこれだけ、おまえはこれだけと力を管理していたわけです。
私のバックグラウンドはコンピュータネットワークで、あまりロボットとは関係なかったのです。そこで、一つ一つのモータに小さな頭脳を与えて、その頭脳で勝手にやりなさいということなのです。偉い人の頭が必要なくなって、個々の人が自分で判断して、これだけ出せる、後は次に任せる、という方法です。頭脳がたくさんあってそれが通信しながら全体として何とか動くというのが分解制御です。

経歴と現在の研究
今、中心にやっている研究のひとつは、バイラテラル制御といって複数のロボットを全く同じように動かすことです。2台あるとして、片方のロボットは人間が触って操作し、もう一方はその動きに合わせて同じ動きをするのです。動いているロボットが何かに当たったとすると、そこには力がかかり動かなくなります。その力がネットワークを介して、操作した人間に伝わって返ってきて、遠くにいながらあるものに触った感覚が分かるようになっているのです。
何の役に立つか色々と考えていますが、今、一つの応用例として、医学部との共同プロジェクトをやっています。お腹の中に小さな穴をあけて鉗子というはさみのような道具を挿入するときに、今の鉗子だと摩擦が大きくてつまんだ感触が医者に分からないのだそうです。その部分をロボットにすれば、隣にいる医者がそれを操作すると、筋肉をさわった感触がはっきりと手元で分かるのです。スポンジとプラスチックの感触くらいは、以前でも区別できたのですが、現在は更に精度がよくなっています。専用回線を引かないで、インターネットを利用すれば、在宅医療あるいは、離れ島などで触診をする場合に適していると思うのですが、医療制度の問題もあり未だ国に認めてもらえません。
この研究自体の発展性はあるのですが、ある種、手抜きな方式でもあるので、難しいことをさせようとすると上手くいかない点があります。欠点もありまして、シリアルリンクのロボットでは上手くいくのですが、最近出てきたパラレルリンクロボットにはすぐには適応が難しいのです。それを克服する研究もまたあると思います。

受賞の感想と今後の抱負
授賞式のときに、審査委員長の原島先生から、論文賞の主旨をお聞きしましたが、後世に残るような論文を選ぶ、とおっしゃったのを聞いて、ちょっと責任が重いなと感じました。
継続研究をしなければいけないとも思いました。この方式をパラレルリンクでやればまた違った成果が出ると思います。今やっている通信の研究も、ロボット屋さんから評価を受け、また賞を頂けるような成果を出したいと思っています。

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大西先生:

現在の研究について
今やっているのは力の制御です。ロボットでも力制御をやっていると思いますが、従来の硬いサーボ系と違って、力制御を柔らかくしなければいけない。その上で、ロバストな性質を失わないようにしたい、基本的にはサーボ剛性を0にしたい、と考えております。
もうひとつの問題点は、力制御は非常に速いため1/10位の時間でしないと間に合わないということがあまり知られていない事実なのです。
「力センサに頼る」、「サンプリング時間が長い」、「ロバスト性と実際の制御の柔らかさが両立しない」、この三つを何とかクリアしようというのが目標です。力制御はバイラテラルで双方向的です。画像や位置センサはユニラテラルで単方向です。力は再現しようと思うと必ず相手が無ければ再現できません。例えば、熟練工の技能、スキル、匠の技などを何らかの形で保存して、次の人へのトレーニングをする、というのは画像では出来ません。力覚と言いますか、力が実際に情報として伝わってこないと、取得できないのです。その記録の方式、力覚のデータベースをどのように保存するかという方法論を確立したいのです。
一番要請の多いのが医学部からの手術用ロボットです。針を掴んだり、患部を触ったりしたときの触覚がわかる外科手術用内視鏡です。力覚が無いためになかなか導入に二の足を踏んでいるのが現状です。医者からのニーズも高いし、我々も問題点が何か、どう解決したらよいかがはっきりしているので、医学部との共同プロジェクトとして去年から研究しています。

受賞の感想と今後の抱負
欧米に追いついてしまった現在、日本は今後どうするかという点で、先を見通した提案を行なうような論文が必要になると思います。そういう意味で、本当に小さな提案だったかもしれませんが、矢向先生と伊藤君の卓抜な見通しで、私は名前が載っているだけですが、非常に良い内容の論文と思います。受賞は非常にうれしいです。
学生の力は思った以上にポテンシャルが高いのです。それを引き出す力が大学にないと、また先生と学生がいい意味で競争相手になる位の関係が築けないと、研究自体にいくらお金をつぎ込んでも無意味に終わるのではないかと懸念しています。人間と機械と環境の係わり合いはよく見ると非常に面白いし、研究の種があるし、その種から次の産業が生まれてこないとまずいですね。
バイラテラルというのは、最近よく使われる言葉ですが、そこに実は次の世代の本質的な情報が入っているのだということまではなかなか気が付かないものです。実は人間らしさを体現する重要なキーワードと思います。バイラテラルな情報が欠落すると、一方的に環境を壊すとか、いつも一方的な関係になってしまいます。次の世界を考えるときにそれだけでいいのか、というのが問題です。社会的な発展と関係してくるとすると、次の産業と言うチャンスもあるのではないかと思います。


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『球面超音波モータを用いた動力義手の開発』
(精密工学会誌2001年4月掲載)


東京都立航空工業高等専門学校 機械工学科
講師 深谷直樹先生

  受賞論文と現在の研究
受賞論文は、東京農工大学の遠山先生や、ファナックの沢田技術顧問、奥本部長補佐員等と共同研究させて頂いたものです。
肘や手首を曲げ伸ばしたり回転したりする人間の腕の動作が、その部分の動作に適した種類の超音波モータを組合わせて使うことにより、自然に行えることがこの動力義手の特長です。義手というのは人間の手の代わりですから、実際に使う人の意見や感想が非常に重要となります。大きさも重さも人間の腕と同じようなものが理想です。義足等、他にも人体の一部の代わりとして使うものがありますが、その部分の形を真似て作ることが必要です。人の形を真似て作るのは、根本的に日本人が得意とすることです。6年位前から手掛けまして使い方を模索していました。
また、指の研究も併行して行いました。ドイツのカールスルーエ工科大学と共同開発した人間型ハンドは、モノを握ったり、掴んだり、つまんだりといった様々な手指の動作を、モノを落としたり壊したりすること無く、最適な力で行うことができます。
高専はアカデミックな研究というよりむしろ、実践型の教育をする場なので、人体模型に触ったり、実際にモノを作ったりしたことも役に立ったかもしれません。

苦労した点
モータの設計は少し大変でした。駆動性能を決定するステータの型が難しく、コンマ何ミリかの狂いが駆動性能に大きく影響します。設計にはFEM解析などコンピュータを駆使しましたが、画像上ではOKでも実際にやってみるとどうしてもずれが生じます。そのため、最適値を導く形状計算と試作に大きな労力を費やしました。
接着剤を探すのにも苦労しました。ステータの裏にセラミックの圧電素子を貼るためのものですが、なかなか思うようなものが見つかりませんでした。

受賞の感想
受賞の連絡を受けたときは正に寝耳に水という状態で、ただ驚いていましたが、今は大変うれしく、これから研究していく上で、ひとつの励みにしたいと思っています。やはり、遠山先生やファナックと共同研究させて頂き、色々な側面から問題を解決できたことも大きいと思います。

今後の抱負
地に足の着いた実社会に役立つものを研究開発してゆきたいと思っています。
特にドイツで福祉を学んだことは非常に大きな経験となっています。実社会に役立つ研究につなげたいと思います。


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『バックドライバビリティを利用したパラレルロボットの高速柔軟作業制御システム』
(計測自動制御学会論文集2001年9月掲載)


東北大学 大学院 工学研究科 航空宇宙工学専攻
教授 内山勝先生

  経歴と現在の研究
経歴や現在の研究は、東北大学ホームページの私のサイトに、ロボット学会の企画で学生が私にインタビューした『ロボコンマガジン』の記事を掲載しています。それを見て頂ければよいかと思います。
現在は、宇宙ロボットの研究をしています。宇宙で人間の代わりに様々な作業をするロボットです。現在既に遠隔操作で動くロボットの技術は実用化されています。ロボット自体の研究も面白いのですが、実際に宇宙で働いている自律型ロボットの姿を想像しながら研究するのは、とてもわくわくすることです。

受賞論文について
パラレルロボットは、フランスのモンペリエ第二大学と一緒に15年くらい前から、そして1990年かその前あたりから豊田工機と共同研究を行ってきました。パラレル機構は、高速・高精度・高剛性という特徴があります。また、自由度が高く、部品などの対象物になじむ柔軟作業ができます。
この機構では、モータがモータを運ぶ必要がなく、ギアのない機構で、DDモータが使えます。このDDモータの特性を活かし、力センサを使わない、力を測定しないで、柔軟作業を制御する方法を考案し、重量、コスト、故障などの問題もクリアしました。
最近は、人間の動きをデータとして取り込み、いろいろな作業が出来るようになるスキルのソフトを開発し、マウスを使って教示できるようになりました。

苦労した点
当初は位置決め速度が問題でした。柔軟作業をする制御系にすると、動きがフニャフニャになり速度が落ちます。これは制御モードの切り換えにより解決しました。DDモータの摩擦により、動きがでたらめになったりしたこともありました。この摩擦の補償方法として、コンピュータでディザ効果を作ることが閃きました。これにより、バックドライバビリティを活用することが可能になり、精度の高い柔軟作業が実現できました。
ソフト開発上でも四苦八苦しました。6個のモータを使っているのですが、故障との戦いです。プログラムを何度も組みなおしました。

受賞の感想
今回の受賞は、共同研究者である金君の努力の賜物です。ロボットは今後も飛躍的に進歩していきます。受賞をロボットの研究に、どのような形になるか分かりませんが、結び付けていこうと思います。

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『γ-正実化問題とゲインスケジュールドH∞ 制御を用いた軸ずれを抑圧する同一次元オブザーバのロバスト設計法』
(電気学会論文誌D / 産業応用部門誌2001年12月掲載)

中部大学 工学部 電気工学科
講師 長谷川勝先生

  受賞論文について
今回の論文のポイントはふたつあります。ひとつはγ-正実の話、もうひとつはゲインスケジュールで、その二つを融合させたというところにポイントがあると思います。
技術的な側面としては、工作機械の主軸ドライブに使う制御法の一つで、サーボモータに使う磁束推定器の性能を改善するものです。特に推定器の設計法は少なくとも我々が知りえている中では今まで確立したものはなかったと思います。
理論的な側面では、制御理論の応用の研究をしていますが、そういう側面から見てもサーボモータというのは非常に面白い制御対象です。制御理論が、どんどん進歩している中で、どうもサーボモータがそれについて行ってないという印象がありました。進化した制御理論を利用して、設計法が確立していない磁束測定器の設計法を提案していこうということになったものです。
応用分野はいろいろな形であると思いますが、主軸ドライブ以外にも、車関係等、サーボモータが使われているところではおそらく全てに応用できると思います。

経歴と現在の研究
元々名古屋大学で育ちましたが、サーボモータ制御理論に強い研究室にいました。周りにも制御理論に精通した方がいて、いろいろ相談させて頂いて出来たという形です。数学が好きでしたが、数学者になるのではなく、それを使って世の中の実用的なものに結びつけるという点に非常に興味をそそられます。今持っている技術の上で少しずつ派生をしながら違うことをやろうと思っています。制御理論が進化し、理論そのものが高度で難しくなってきました。我々制御理論の応用屋から見ると問題はいろいろあるのですが、制御理論と上手くマッチングが取れないということを最近よく感じます。実験をする立場から言うと、本当にそれが必要な制御理論か否かというところで少し疑問を感じることがあります。良い理論を捉えて、その上手な使い方を見つけるというところに、私の仕事があると思っています。

苦労した点
問題発掘のところが一番苦労した点です。世の中で、特に産業界で何が問題になっているのかという情報は、学会などから入るのですが、特に若手なので、なかなか貴重な情報を得にくいところがあります。何が問題なのかがわかると、後は何が出来るかを考えればいいわけですから。そこが一番むずかしいところです。海外では、学と産の人材交流が行われていると聞きました。日本でもそこら辺が上手くいくといいなと思います。

受賞の感想と今後の抱負
これだけ大きな全国区の賞を頂いたことは初めてです。非常に光栄です。信じてやってきたことを認めて下さる方がいた、というのは大変うれしいことです。
制御という学問は、機械だけを相手にするものではなく、経済だったり人間だったり、さまざまなものを相手に出来るという側面があります。そういう意味では、機械制御に拘らず、広い意味で制御を捉えた研究が出来ればと思います。人間の制御というのは、一番具体的なのはロボットです。人間の知識を持っていったり動きを真似たり、それも十分に制御の範疇でしょうから。
特に強調したいことは、産学の交流を活発にしたいということです。以前よりは増えてきたとはいえ、若手の我々にはルートが少なく、貴重な情報が入りにくいものですから、ぜひお願いしたいと思います。


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『軌道計画と軌道更新に基づくSTS制御の実現手法の提案と
オープンアーキテクチャ型ロボットを用いたその有効性の実験的検証』

(日本ロボット学会誌2001年1月掲載)


関西大学 工学部 システムマネジメント工学科
教授 青柳誠司先生

  経歴と現在の研究
大学院および前任校の金沢大学では、超音波センサとジャイロを用いてロボットの位置決め精度等の性能を評価する研究を主に進めて参りました。7年前に関西大学に移って以来、今回賞をいただいたSTS制御をはじめとするロボットの制御に関する研究、および、RECSコンセプト(Robot Environment Compromising System)に基づいた福祉ロボットの開発を行っております。またマイクロマシンの研究も始めており、医療用マイクロデバイスや、ロボット用マイクロセンサの開発を行っております。将来マイクロマシンとロボットを融合するような研究が出来たらと思っております。
これらの研究のうち、ここではRECSコンセプトについて簡単に説明します。急速な高齢化社会を迎え、高齢者を介助したりアシストしたりするロボットが必要になっていますが、自宅や病院内では人間も共存しなければいけないため、工場のようにロボット専用に環境を整備するのは困難です。解決策のひとつは、鉄腕アトムのような人間と同じレベルの性能を持つ自律ロボットの開発ですが、現状のロボット工学の技術レベルを考えると、この実現ははるか遠い先になってしまいます。RECSコンセプトは、環境とロボットそれぞれに技術課題を最適配分することにより、現状のロボットの技術でも容易にしかも低コストで福祉作業の課題を実現しようとするものです。ロボットの認識や制御が楽になるように環境を少し変えてやり、技術課題をロボットと環境の双方で負担しようということです。このコンセプトに基づいて、福祉ロボットが、屋内で動き回り、目標の位置に行って、様々な作業を行うような研究に取り組んでおります。またこのコンセプトを応用して、リサイクル作業の自動化にも取り組んでおります。現在リサイクル作業のほとんどは人手に頼っており、自動化が望まれているのです。

受賞論文について
まず表題にあるオープンアーキテクチャ型ロボットは三菱重工業製ですが、コントローラの仕組みがユーザに情報公開されており、ユーザはソフトウェアによりロボットコントローラの内部にリアルタイムにアクセスすることができます。一般の産業用ロボットは、予め軌道や位置等をプログラムできますが、一旦動き始めたら作業が終わるまではユーザは何も出来ません。ロボット研究の分野では、時々刻々とロボットの手先がどこにいるのか、また力覚センサなど様々なセンサを付けた場合に、ロボットの接触状態がどうなのかということをサンプリングタイムごとに知って、それに従って軌道を変えたり、各関節の角度を変えたりしたいのです。そういうことが出来る産業用ロボットはまだ数少なく,三菱重工のものは今後の研究用ロボットの方向性を示す好例だと思います。
この論文の主旨は、移動しているものに対して制御をするということです。例えば人間は、ベルトコンベア上を流れてくるものに対し、コンベアを止めなくても、ネジを締めたり、塗装したりとかいろいろな作業が出来ます。ところが現在の一般の産業用ロボットは、自分との相対位置関係が既知である場所に一旦対象物を静止させ、それに対して作業を行うのです。本論文で提案するSTS制御を用いれば、いちいち対象物体を止める必要がなくなります。このため生産効率が上がります。また、一旦止めたものをまた動かすと言うのは加速度がいるのですが、本制御を用いればその必要がなく、エネルギー効率の面からも非常に有利です。そういう意味で、動いているものを扱うにはどうすればよいか、という課題にひとつの答を与えるのがこのSTS制御だと思います。一例として、人間でも難しい、動いている穴にピンを刺すという作業をロボットで行いました。

苦労した点
ロボット分野の研究者ならばよくわかると思いますが、実験システムを組み上げるという作業にずいぶん時間がかかりました。理論を考えるのも一つの苦労だったのですが、それを実際にソフトウェアに組んで実験装置にインプリメントするのに苦労しました。
このような実験を伴う研究の常として、時間と労力がかかります。実験してみてはじめて理論のどこかが間違っているのがわかり、理論を修正して、また実験をする。実験をやって上手くいかないと、更に理論を修正する。理論の基本はあまり変わらないのですが、ちょっとしたところを修正しながら実験していく。このようなフィードバックの繰り返しです。
また、いくら素晴らしい研究をしていても、論文の書き方が悪いとせっかくの内容が読者に伝わらないことがあります。今回の研究では、新しい制御方式のSTSと、今までの制御方式とどこが違うのかというのを明確にきっちりと分かりやすく読者に説明して、論文を書くことに苦心しました。

受賞の感想
受賞論文は、もしかしたら実際に現在の工場のラインにおけるロボットの動き方を変えてしまうような、アプリケーション寄りの論文です。我々大学に籍を置く人間は、研究したことが論文になるだけではなく、世の中、現場で応用されて少しでも役に立つというのも大きな喜びです。今回理論のみでなく実用性も重視されて本論文が賞に選考されたと聞いて、非常に嬉しく思っております。


今後の抱負
今までもそうでしたが、理論だけでなく、実験も伴った実用的な研究を行っていきたいと思っております。


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