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南極やグリーンランドの氷床変動は地球の気候・環境変動と密接に関係している.このため,氷床変動の研究には,氷床ボーリングや地形学的研究からコンピューター・シミュレーションまで,さまざまな手法が駆使されているが,現在の氷床の変動,あるいは最終氷期最盛期(Last Glacial Maximum : LGM)後のポストグレーシャルリバウンド(Post-Glacial Rebound : PGR)を実測する手段として,測地学的手法は大変重要な役目を担っている.例えば,1990年代に打ち上げられたERS1/2のマイクロ波レーダー高度計(衛星高度計)は,海面高度の測定のみならず,大陸規模での南極氷床変化のマッピングや変動の研究にも利用されており,また,合成開口レーダー(Synthetic Aperture Radar : SAR)で観測されたデータを用い,より詳細な南極氷床変動の研究もなされている.さらに,2003年1月に打ち上げられたICESat(Ice, Cloud and land Elevation Satellite)では,レーザー高度計を用いて1cm/yr以上の高精度で氷床の変動をとらえる計画であり,GRACE(Gravity Recovery and Climate Experiment)の衛星重力データと併用することで,全量としての南極氷床の質量収支が明らかになるものと期待されている.
また,衛星観測ばかりでなく,地表の測定においても測地学的手法は重要な役割を果たしている.例えば,氷床上での位置決定や氷床の流動速度の測定にGPS精密測位は欠かせないツールとなっており,氷床上あるいは航空機を用いた重力測定は,氷床下の基盤構造の推定など氷床流動のメカニズムを探る上でも重要な情報を提供するとともに,ボストーク湖のような氷床下湖の研究にも利用されている.
このような氷床変動の研究とは別に,最近,積雪荷重によって地殻変動が起きているという興味深い研究結果が発表されている.我が国では国土地理院によるGPS連続観測システム(GEONET)のデータが公開されているが,そこには,しばしば振幅数mm程度の季節変動成分が見られることが知られていた.この原因についてはさまざまな解釈がなされているが,少なくとも東北地方など積雪の多い地方については,この年周変化の主要な原因が積雪荷重による地殻の変形で説明されている.
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