漆サミット2011展示
■セッション3にかかわる下宅部遺跡の遺物の展示
および現代作家による作品の展示を行いました。
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下宅部(しもやけべ)遺跡は、東京都東村山市多摩湖町に所在します。地形的には、北に狭山丘陵、南に北川が流れる、丘陵部分から低地部分に位置する遺跡です。
今までの調査で、縄文時代後・晩期(約4,000〜2,700年前)と古墳時代(約1,400年前)、奈良・平安時代(約1,200〜1,000年前)を中心とする遺構・遺物が数多く発見されました。
特に縄文時代では、当時の川の流れ跡から、木材を組み合わせた施設や多量の縄文土器、石器、丸木舟未製品や丸木弓、木製容器などの木製品、編み物、当時の食生活や自然環境を物語るシカ・イノシシの骨やトチノキ・クルミなどの種実が大量に出土しました。
特に、漆製品は量・種類ともに豊富で、縄文時代後期の漆塗りの土器や木製容器、漆器製作過程で使われた容器やパレット、水銀朱(すいぎんしゅ)が付着した磨石(すりいし)などが出土し、漆にかかわる作業を遺跡で行ったことが推定されています。また、縄文時代のものとしては初めて漆掻(うるしか)きの痕跡をもつウルシの木が確認され、掻いた後、杭として使われていました。このほか、漆液で破損部分を補修した土器なども出土しています。
このように、下宅部遺跡は、通常の遺跡ではきわめて残りづらい木の道具や施設などの有機質の遺物・遺構が地下水に守られて数多く残されていました。得られる情報も多く、当時の生活や自然環境などを具体的に復元することのできる貴重な遺跡です。
漆サミット2011では下宅部遺跡の漆に関わる遺物を中心に展示し、“縄文時代の漆文化”についてみなさんと考えていきたいと思います。 |
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| 漆が塗られたカバノキ属製の飾り弓 |
カラス貝(内面の漆が外面に透けて見えている) |
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| 漆が塗られた木製のヘアピン |
ヘアピン模様部分の拡大 |
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| 漆が塗られた飾り弓集合 |
漆が塗られたイヌガヤ製の杓子柄 |
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| ウルシの杭(矢印部分に傷痕あり) |
ウルシの杭の傷痕拡大(展開写真) |
資料および写真は東村山市教育委員会提供、一部改変
日本が漆と出会った縄文時代から数千年、漆の美しさは今も昔も人々を魅了してやみません。いにしえの素朴な技法や表現は時とともに洗練されてゆき、漆は日本文化に限りない豊かなものを与えてくれました。
大陸からもたらされた沈金(ちんきん)や、螺鈿(らでん)、蒟醤(きんま)、堆朱(ついしゅ)などの技法は日本の美意識や風土風習、また日本で採取される漆にあった形で発展しました。特に蒔絵(まきえ)は日本で生まれた独自の技法です。
日本を代表する工芸となった蒔絵はその後、技法として中国に逆に伝えられます。また、漆黒に金色の意匠はヨーロッパで垂涎の的となり、多くの漆器が輸出され、時の美術や工芸に大きな影響を与えました。
漆サミット2011では、東京藝術大学漆芸研究室、日本伝統工芸展の作家、シンポジウムパネリスト、そのほか各先生方にご協力いただき、伝統的な技法や、新しい漆芸の展開をご紹介いたします。
21世紀の今、漆芸はさらに可能性を求めて進化し続け、伝統を守り続けながら新たなアートの扉を開こうとしています。
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