「漆サミット2011」のご案内
セッション・ポスター発表
写真は漆サミット2010のパネルディスカッション風景
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■「漆サミット2011」―危機に直面している国産漆―
1.趣 旨
本事業は、ふるさと文化財の森「浄法寺漆林」や国の選定保存技術となっている「日本産漆生産・精製技術」、さらには「浄法寺漆」・「奥久慈漆」・「備中漆」など日本産漆についての普及啓発を目的とする。
中でも、岩手県二戸市は浄法寺町を中心として、国内最大の生産地として漆文化が根付いている地域であり、その漆は京都鹿苑寺金閣や日光二社一寺といった国宝や重要文化財の修理・修復に使用され、我が国の文化財保存に欠かせない存在となっている。
しかし、他産地も含め、漆掻き職人の高齢化が進んでいるなど、優良なウルシ原木の資源確保や後継者の確保は喫緊の課題となっており、こうした問題を積極的に普及宣伝し、課題解決に向けた環境を整えていく必要があることから、本サミットを実施するものである。なお、本サミットは文化庁の「ふるさと文化財の森システム推進事業」の一環として行っている。
2.主 催
漆サミット実行委員会
3.共 催
明治大学・岩手県二戸市
4.後 援
(独)森林総合研究所・東北大学植物園・東京藝術大学・奥久慈漆生産組合・日本産漆を支援する 壱木呂の会・(株)パレオ・ラボ・(社)林原共済会・漆を科学する会
5.漆サミット2011実行委員会
宮腰哲雄(実行委員長)、鈴木三男、中村 裕、本間幸夫、三田村有純、小椋範彦、窪寺 茂、岡村道雄、北野信彦、山田昌久、阿佐見 徹、佐々木由香、工藤雄一郎、四柳嘉章、若宮隆志、高山雅之、中川綾子、能城修一、田端雅進
■セッション発表
場所:明治大学駿河台キャンパス アカデミーコモン2階
日時:2011年1月14日(金)・15日(土) プログラムはこちらから
セッション1「国産漆のこれからの方向を模索して」概要
第1回の漆サミットの結果をふまえ、ウルシの木の激減と後継者の育成に係わる問題点と、漆掻きと塗り手が漆の需要と供給というお互いの要望を率直に述べてもらい、さらなる需要の喚起を図る。
また日本産漆の需要の低迷は、それ以前に日本人の漆器離れという現状があり、漆器離れを巡る問題提起にエンドユーザーの代表から意見を頂く。世の中のニーズに変化が起き個人的制作を含め仕事の内容も又変わっていくのは宿命のような所もあるが、その辺もメディア側の厳しいご指摘や批判を頂く。パネリストとして浄法寺の漆掻きの鈴木健司氏と日本産を主に使っている塗り手の伏見真樹氏、エンドユーザーの代表には季刊「銀花」の編集長を11年務めた萩原薫氏にお願いした。
本セッションでは、漆に関する塗り手と漆掻きへのアンケート調査の報告もポスター発表と共に行ない、現時点での日本産漆の問題点を塗り手とこの問題に係わる多くの方々ができる範囲の運動に結びつけながらより良い形で継承されていくようにできればと考えている。このセッションで結論が導き出されることは難しいと思うが、何が現在大きな障害になっているか、問題点を探し出すことが目的である。
セッション2 「健全なウルシの森づくりに向けて」概要
ウルシの樹液は、天然塗料として縄文時代から漆器や美術工芸品 等に使われ、日本人に広く親しまれている。しかし、現在日本で使 用される漆の約98%を中国産が占め、国産漆は残り2%
程度しか生産されていない。漆は、伝統文化の維持に貢献してきた が、昨今伝統文化を支える漆の供給が危機的状況にある。これまで 2%に満たない国産漆は、高級な漆器にこだわる生産者らによって、
主に上塗りの用途に使用されてきた。こだわりのある漆器生産者 は、中国産漆よりも国産漆の方が耐久性に優れている等の特性を指 摘するものの、こうした特性やその原因は解明されていない。
最近の動きとして、日光の文化財修復で平成19年より国産 漆生産全体の4割にも達する量が使用され始めたことにより、 安定的な需給体制を確立する必要性が高まっている。そのためには
ウルシ林の資源量を明らかにし、ウルシ林の管理技術を確立する必 要がある。また、その管理技術を有する人材の育成やそのための制 度の整備も必要である。
本セッションでは岩手県での「浄法寺漆振興戦略」に基づく施 策、二戸市での「漆を活かしたまちづくり」に沿った事業、森林総 合研究所や明治大学などによる「新たな農林水産政策を推進する実
用技術開発事業:地域活性化を目指した国産ウルシの持続的管理・ 生産技術の開発」を紹介し、健全なウルシの森づくりに向けて何が 必要かについて議論の場としたい。
セッション3「下宅部遺跡をめぐる縄文時代の漆文化」概要
東京都東村山市下宅部遺跡(縄文時代中期中葉〜晩期中葉;今から5300〜2800年前)からは、様々な漆塗りの容器や飾り弓、漆器製作過程で使われた容器やパレット、水銀朱が付着した磨石などが出土している。また、漆掻きの痕跡をもつウルシの木が杭として使われていたほか、漆液で補修された土器なども出土している。このように下宅部遺跡では、漆液の採取から漆器の製作、および漆液採取後のウルシ木材の利用までが、当時の森林資源利用体系のもとで行われていたことが明らかとなっている。セッション3では、現在漆を扱っている様々な方に、下宅部遺跡の出土遺物を実際に見ていただき、当時の漆液利用や漆器製作、およびウルシ林の管理と利用がどのように想定されるかについて議論する場としたい。
オーガナイザーからは、下宅部遺跡から出土した木材の分析から、ウルシの木の太さや年齢などを中心にして、ウルシ林の管理と利用がどのように捉えられるのかを説明したい。それを受けて、パネラーの方には、ウルシの林の管理や、漆液の採取方法、漆液の必要量、漆器をつくる際の漆液の使用方法やその技術などについて、話題提供をお願いしたい。
(写真は漆サミット2010の様子)
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■ポスター発表
ポスター発表の一覧はポスターのページをご覧ください。
今回はセッションのテーマに沿ったポスターおよび、そのほか漆に関わる成果のポスターの発表を行いました。
セッション1関連:
漆を生かした取り組みの成果・事例紹介
セッション2関連:
ウルシの資源・育成・管理、ウルシの植物学に関わる成果・事例紹介
セッション3関連:
遺跡出土に関連した漆の遺物・遺構に関わる成果・事例紹介
■展示
セッション3にかかわる下宅部遺跡の遺物の展示および現代作家による作品の展示を行いました。
詳しくは展示のページへ
■懇親会
漆サミット2011は
農林水産省「新たな農林水産政策を推進する実用技術開発事業」および文化庁「ふるさと文化財の森システム推進事業」です。
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