1)香川医科大学皮膚科学教室
〔別刷り請求先:〒761-07 香川県木田郡三木町池戸1750−1 香川医科大学皮膚科学教室 沼原利彦,numahara@kms.ac.jp, jca02363@niftyserve.or.jp〕
(原稿受理日 1995年1月12日)
図1 臨床写真スライドの整理に利用している防湿箱
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| 図2 臨床写真撮影カメラ
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さて,最新のパソコンは,初期のスーパーコンピュータに迫る性能を持ち ,卓上のパソコン1台で都市銀行1つのすべてのオンライン業務が可能であるとさえいわれるようになってきている。また,デジタル画像処理においても ,以前に数千万円を超えるような大型コンピュータで行なわれていたもの が,現在では数十万円から百万円程度の卓上パソコンでも可能になった。情報通信網の整備発達も合わ さって,本格的なマルチメディア時代になってきている。電子画像の発達は目覚ましいものがあるが ,解像度,色再現性,経済性,機器の完成度などの点から ,高質の画像が要求される分野ではカメラとフィルムによる撮影はまだまだ主流をしめるだろ う。ではここで,フィルムによる画像保存の欠点をあげてみよう。
図3 35mmフィルムスキャナ
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(2)コダック社によって始められたフォトCD
(図4)
図4 フォトCD
フィルム画像を追記型のCDに焼き付けるサービスで ,1枚のCDに約百枚の記録が可能である。現在では,コダック ,コニカ,富士系のラボで扱われている。フォトCDでは自分でスキャニングする必 要がない。フィルムに注文書を添えてラボに提出するだけである。価格設定は ,フォトCDのメディア代が1枚1,000円,一回の書き込み基本料金が500円 +35mmフィルム1コマの料金がフィルムにより80〜120円である。フォト CDの規格については,弓野正道氏が1992年のテレビジョン学会誌で解説して いる。それによると,35mmフィルムをアスペクト比1:1でスキャンし ,フォトCDマスタではRGB各2,048×3,072の解像度で取り込み ,イメージデータをフォトYCCと呼ばれる輝度および色差信 号のデータに変換し,表1に示すような5つの解像度を持ったデータとして記録している。
表1 フォトCDに記録されるデータ
(弓野正道,テレビジョン学会誌,VOL.46,NO.11,1992より)
5つの解像度のデータのうち低解像度の,BASE/16,BASE/4, BASEのデータはそのまま利用している。知っておいたほうがよいのは ,フォトCDシステムでは,4BASE以上のイメージデータではデータを 圧縮するために差分データとして記録されていることである。たとえば ,16BASEの輝度信号イメージを取り出す場合には,BASEデータを補間したものに4BASEのハフマン符号化された差分データをデコーダしたものに加算して4 BASEの1,024×1,536輝度信号イメージを作成し,このようにして得た4 BASEのデータを補間したものに16BASEのハフマン符号化された差分データをデコーダしたものに加算して最終的な2,048×3,072輝度信号イメージを得るようになっている。 PhotoshopからフォトCDの画像を最高の品質で開くためには ,フォトCDフォルダの中の,写真フォルダではなく, PHOTO-CDフォルダの中のIMAGESフォルダの中のファイルを開くようにする。このようにすると ,フォトCDを高画質で開くためのプラグインKodak CMS Photo CDにより,先述したフォトCDのデータ構築に沿って精密に画像が開かれる(図5〜7)。
| 図5 フォトCD形式で格納された画像情報を精密に開くには,「PHOTO_CD」フォルダ内の「IMAGES」フォルダにある | 図6 Photoshopから,フォトCDの「IMAGES」フォルダ内のファイルを開こうとしているところ。下方に「Kodak CMS Photo CD」と表示されているのがわかる。 |
| 図7 Photoshopで,フォトCDの画像を「Kodak CMS Photo CD」により開く時に表れるダイアログボックス。 |
写真フォルダの画像を開いたときには,単にPICTファイルとして開かれる(図8,9)。
| 図8 フォトCDの「写真」フォルダの中には,5種類のサイズ を示すフォルダが存在する。 | 図9 フォトCDの「写真」フォルダの,5種類のサイズを示すフォルダの内容を開いた場合には ,単にPICTファイルとして画像が開かれる。 |
(3)デジタルカードカメラFUJIX DIJE(富士写真フイルム)(図10)
| 図10 左側:FUJIX DIJE.
右側:オプションのクローズアップユニットとスーパーマクロアダプターを装着している この状態で著者の指の撮影を行なった。 |
ハンディタイプのデジタルカードカメラで,Macintoshの13インチ画面にあわせた640×480画素のフルカラー画像を ,3段階の画質を選択してイメージメモリカードに記録する。 DIJE本体(図10)は,定価22万円である。また,DIJE本体 ,イメージメモリカード,メモリカードプロセッサ,パワー サプライキット,インターフェースセットなどをまとめた DIJE Macキットは定価54万5千円である。このほかのオプションとして,等倍撮影用レンズ,ズームレンズなどがある。
I.画素数の比較
富士写真フイルム株式会社によると,カラーリバーサルフィルムの画素数は
RGB3画素を1画素として,一般に使用される35mmフィルム(24
mm×36mm)で340万画素と算出されているという。表2に画素数の比較を示す。今回検討した方法の中で
は,COOLSCANが最高の解像度2,700dpiをもっている。なお
,フォトCDとFUJIX DIJEの画像は,各々独自の圧縮形式で保存されいる。
表2 画素数の比較
II.画像の比較
図11〜14は,実際に得られたデジタルファイルをもとにしたカラー印刷である。
| 図11 FUJIX DIJE デジタルカードカメラFUJIX DIJEにスーパーマクロアダプターを装着し,高画質モードで撮影。オリジナルは 640×480画素であるが,比較のためトリミングしてある。 | 図13 Photo CD pict 一眼レフレックスカメラMINOLTAα−7xi(AF LENS50MM F2.8 MACRO, CLOSE UPカード,MACRO 1200 AF装着)+使用フイルムFUJICHROME RD 135で撮影したオリジナルフイルムを,FUJIXフォトCDサー ビスでフォトCD化。オリジナルの画像はフォトCDの「写真」フォルダ内「3,072×2,048」フォルダの画像を開い たPICTファイルで,比較のためトリミングしてある。 |
| 図12 Nikon COOLSCAN 一眼レフレックスカメラMINOLTAα−7xi(AF LENS 50MM F2.8 MACRO, CLOSE UPカード,MACRO 1200 AF装着)+使用フイルムFUJICHROME RD 135で撮影したオリジナルフイルムを,Nikon COOLSCANの最高解像度でスキャンした。オリジナルは2,592×3,888画素 であるが,比較のためトリミングしてある。 | 図14 Kodak CMS Photo CD 一眼レフレックスカメラMINOLTAα−7xi(AF LENS 50MM F2.8 MACRO, CLOSE UPカード,MACRO 1200 AF装着)+使用フイルムFUJICHROME RD 135で撮影したオリジナルフイルムを,FUJIXフォトCDサービス でフォトCD化。オリジナルの画像はフォトCDの「IMAGES」フォルダ内のファイルを ,Photoshopの「Kodak CMS Photo CD」により「3,072×2,048」で開いた画像で,比較のためトリミングしてある。 |
一番自然に近かかったのが,Nikon
COOLSCANであった。フォトCDのPICT画像もそれに近い結果となった。フォト
CDの画像情報を精密に伸展するPhotoshopの「Kodak CMS Photo
CD」による画像が,かえって赤紫調になったのが意外であった。
FUJIX DIJEは彩度がやや弱めであるが,色のバランスやコントラストがきわめて自然であり
,640×480画素ながら指紋も鮮明にとらえている。Photoshop
などで彩度を少し強調すると,よりよい印象になる。なお
,図15に,各画像についてPhotoshopのヒストグラム表示を示してある。
図15 画像ヒストグラムの比較
FUJIX DIJE/高画質モード(図11),Nikon
COOLSCAN/最高解像度(図12),PhotoCD/3,072×2,048
(図13),Kodak CMS
PhotoCD/3,072×2,048(図14),についてPhotoshopの画像ヒストグラム(グレー
,赤,緑,青)表示を示す。
機器の貸与・技術資料を提供いただきました富士写真フイルム株式会社電子映像事業本部営業部,技術資料を提供いただきました日本コダック株式会社に深謝します。なお,本文の中で記述した機器や定価については,最新のものを確認してください。
1) Department of Dermatology, Kagawa Medical School
Abstract
Three easy digital imaging methods for clinical photographs were examined. Photo CD, Nikon
COOLSCAN(35mm-film-scaner), and FUJIX
DIJE(digital-card-camera) were the methods. The comparative study was
performed on Macintosh Quadra 800 computer(Kanji Talk
7.1).
Keywords: clinical photograph, macrosciopic photograph, digital imaging, Nikon COOLSCAN, Photo CD, FUJIX DIJE, Macintosh, Adobe Photoshop