日本コンピュータサイエンス学会をかえりみて

日本コンピュータサイエンス学会
理事長 法橋尚宏

「コンピュータサイエンス研究会」の誕生にはじまり,「日本コンピュータサイエンス学会」へ発展してから,ようやく2年を迎えた。本学会は,他の関連学会との連携を密にしながら,独自の領域を開拓し,拡大しようと努力している。本学会の運営を手弁当でお手伝いいただいた各位に対して,深甚の謝意を捧げたい。さらに,本学会の機関誌である本誌「コンピュータサイエンス」も,着実にその内容を整え,充実しつつある(図1)。ご執筆いただいた会員各位,編集同人のご尽力に対して,満腔の敬意と謝意を表する。
 本学会の設立趣旨は,筆者が本誌創刊号において「研究支援ツールとしてのコンピュータ」と題して述べたが【1】,あえてその一部をここに再記させていただくことにする。なお,本学会は他学会に先駆けて,機関誌のオンライン版を Internet 上で公開してきており,その全文を誰でも参照できるようになっている【2】
 a)   b)
図1 オンライン版の「コンピュータサイエンス」
a)は http://www.dna.affrc.go.jp/htdocs/JACS/JJCS/v1/n1/index.html の画面,
b)は http://www.dna.affrc.go.jp/htdocs/JACS/JJCS/v1/n1/p5_16/7_4.html の画面。
あらゆる研究機関のあらゆる研究分野において,コンピュータが研究支援のための不可欠なツールとなっていることは,今さら言をまたない。現在では,まさに研究者1人にコンピュータ1台の時代を迎えている。しかし,研究や診療で多忙をきわめる研究者や医師が,日進月歩で進化するコンピュータの情報に追随していくことは骨が折れることである。コンピュータシステムがさらに使いやすく,より強力な研究支援道具になっていくためには,研究者自身がコンピュータサイエンスに関するグループを形成し,さまざまな活用事例を交換して議論を重ね,その成果を公表していくことが重要である。
 このような背景をもとに,「日本コンピュータサイエンス学会(Japanese Association of Computer Science:JACS)」が設立されることになった。本学会は,医学・看護学・歯学・薬学・農学・理学・工学などに関連する領域の研究者間で,ユーザの立場から,コンピュータサイエンスに関する情報を交換する学術的な場を提供することを目的としている。