報 告 日本リハビリテーション医学会 

 

平成18年度リハビリテーション医学に関連する社会保険診療報酬等の改定について

日本リハビリテーション医学会 社会保険等委員会
担当理事 石田  暉,赤居 正美,才藤 栄一
委員長 田中宏太佳
委員 園田  茂,尾花 正義,赤星 和人
江端 広樹,畑野 栄治,梅津 祐一
古市 照人,岡川 敏郎


 は じ め に

 平成17年10月12日に中央社会保険医療協議会(中医協)診療報酬基本問題小委員会では,平成18年度診療報酬改定を視野に入れたリハビリテーション(以下,リハ)に関する審議が行われ,高齢者リハビリテーション研究会(平成16年に厚生労働省老健局が開催)で指摘された

(1)急性期のリハ医療が十分に行われていない
(2)長期にわたって効果が明らかでないリハ医療が行われている場合がある
(3)医療から介護への連続するシステムが機能していない
(4)リハとケアとが混同して提供されているものがある
(5)在宅におけるリハが不十分である

という5つの項目を現行の診療報酬上の課題として提示された.平成18年1月18日に,平成18年度診療報酬改定について検討された「現時点の骨子」の中でリハ領域においては7項目が提示された.1月11日に厚生労働大臣より平成18年度診療報酬改定についての諮問が中医協になされ,2月15日に中医協から厚生労働大臣に答申が行われた.

その答申でのリハにおける主な改定内容として,

(1)現行の体系を改め,新たに脳血管疾患等リハ,運動器リハ,呼吸器リハ及び心大血管疾患リハの4つの疾患別体系とする
(2)長期にわたり効果が明らかでないリハが行われているとの指摘を踏まえ,疾患ごとに算定日数上限を設定するものの1月に一定単位数以上行った場合の点数の逓減制を廃止する
(3)集団療法の廃止,機能訓練室の面積要件の緩和,発症後早期の患者1人・1日当たりの算定単位数の上限の緩和等を行う
(4)回復期リハ病棟入院料について,算定対象となる状態を拡大するとともに,当該状態ごと算定上限を設定することで入院期間を短縮する

こと等が示された.以下にその具体的な内容を記載する.

 1.リハに関する通則の変更

 1)リハの実施において,医師は効果判定を行いリハ実施計画を開始時及びその後3カ月に1回以上作成し,患者にその内容を説明し診療録にその要点を記載する.

 2)疾患別リハ(表1<pdf>)の点数は,患者に対して20分以上個別療法として訓練を行った場合にのみ算定し,患者1人につき1日合計6単位に限り算定できるが,別に厚生労働大臣の定める患者(表2<pdf>)については1日合計9単位を算定できる.

 3)ADL加算は疾患別リハ料(T)を算定する入院中の患者に算定でき,訓練室以外の屋外を含む病棟等において,早期歩行自立及び実用的な日常生活における諸活動の自立を目的として,実用歩行訓練・日常生活活動訓練が行われた場合で,訓練により向上させた能力については常に看護師等により日常生活活動に生かされるよう働きかけが行われることが必要であるとされている(30点).ADL加算を算定する場合,リハ開始時及びその後は1カ月に1回以上リハ実施計画書を作成し,患者または家族に説明の上交付するとともにその写しを添付する.なお,リハ総合計画評価料「480点:疾患別リハ料(T)を算定する患者に3種類の書式の1つを選択し策定する」算定患者及び回復期リハ病棟入院料算定患者については,リハ総合実施計画書の作成により,リハ実施計画書の作成に代えることができる.

 2.リハの疾患別体系の見直し

 理学療法,作業療法及び言語聴覚療法を再編し,新たに4つの疾患別リハ料が新設された(表1<pdf>).疾患の特性に応じた標準的な治療期間を踏まえ,疾患群ごとに算定日数に上限が設定された.算定日数上限の期間内に必要なリハを提供できるよう,1カ月に一定単位数以上行った場合の点数の逓減が廃止された.一方,早期リハ加算・外来移行加算も廃止された.表3<pdf>には疾患群に入れられる具体的な疾患名や障害の状況を示す.

 表4<pdf>にはそれぞれの施設基準を示す.脳血管疾患等リハ料(T)施設のうち,理学療法士,作業療法士及び言語聴覚士が常勤で従事しており,理学療法,作業療法及び言語聴覚療法のいずれも適切に実施できる体制を整えている施設を総合リハ施設と呼称することができる.

 疾患別リハの施設基準の専従である従事者の配置要件において,回復期リハ病棟の専従の常勤職員とは兼任できないが,心大血管疾患リハを除く疾患別リハ,障害児(者)リハに限り兼任できる.

 運動器リハ料(T)においては,適切な運動器リハに係る研修を終了したあん摩マッサージ指圧師等が,専従の常勤者の場合,理学療法士が勤務しているとみなし当該あん摩マッサージ指圧師等が実施した場合は(U)の点数(80点)を算定する.また,脳血管疾患等リハ料(U)及び運動器リハ料(U)で運動療法機能訓練技能講習会を受講したあん摩マッサージ指圧師等が訓練を行った場合は,(U)の所定点数(100点または80点)を算定する.

 疾患別リハの施設基準における専用の機能訓練室は,同じ時間帯であっても他の疾患別リハ及び障害児(者)リハのものと兼用できる.ただし心大血管疾患リハの実施時間帯は兼用できない.言語療法室は専用室としてこれとは別に確保が必要である.

 疾患別リハ共通の事項として,長期にわたり継続的にリハを行うことが医学的に有用であると認められる一部の疾患として表5<pdf>のように7つの状態が示された.ただしこれはあくまでも治療の継続により状態の改善が期待できると医学的に判断される場合にのみ適用できるということの注意が必要である.

 心大血管疾患リハ料の標準的な実施時間は,1回1時間(3単位)程度とするが,入院中の患者以外の患者については,1日当たり1時間(3単位)以上,1週3時間(9単位)を標準とする.治療者当たりの担当患者数について入院中の患者では,当該療法を担当する医師または理学療法士及び看護師の1人当たりの患者数は,それぞれ1回15人程度,1回5名程度とし,入院中の患者以外の患者については,それぞれ,1回20人程度,1回8名程度とする.このために医師の直接監視下に行われる心大血管疾患リハについては,従事者1人当たり1日当たりの単位数上限は適応されないこととなった.

 3.リハ従事者1人・1日当たりの実施単位数の上限の緩和

 疾患別リハに共通することとして,リハ従事者の労働時間について,医療機関ごとの弾力的な運用を可能とするために,1人の従事者が1人の患者に対して重点的に個別的訓練を行う必要があると認められる場合,リハ従事者1人・1日当たりの実施単位数の上限が緩和され,1日当たりの単位数は18単位を標準としながらも24単位を上限とし,週108単位までと規定された.

 4.回復期リハ病棟入院料の見直し

 回復期リハ病棟の更なる普及を図るために,表6<pdf>に示されたように算定対象となるリハを要する状態が整形外科疾患を中心に拡大されたが,一律に180日を算定上限とされていた現行が改められ,状態ごとに算定日数上限が設定された.回復期リハを要する状態の基準が,疾患の発生叉は手術後の「3カ月以内」から「2カ月または1カ月」に短縮された.この施設基準として4つのリハ料(T)の1つまたは脳血管疾患等リハ料(U)のいずれか1つを算定していることが必要である.回復期リハ病棟入院料は1日につき1,680点に据え置かれた.

 5.退院後早期の訪問リハの評価

 居宅を訪問して行うリハについて,入院から在宅における療養への円滑な移行を促すために,在宅訪問リハ指導管理料について,1日当たりの点数から1単位あたりの点数(300点)に改めるとともに,理学療法士,作業療法士,または言語聴覚士が,20分以上訪問によりリハを行った場合,週6単位まで算定が可能で,退院後3カ月以内の患者においては週12単位まで算定上限が緩和された.

 6.摂食機能療法の算定上限の緩和

 摂食機能障害を有する患者に対して,定期的な摂食機能検査をもとに実施計画を作成した場合,言語聴覚士または看護師等が1回につき30分以上訓練を行った場合に185点が算定できる.1カ月に4回を限度とされているが,治療開始日から起算して3カ月以内の患者については,毎日算定できる.摂食機能障害者とは,発達障害,顎切除及び舌切除の手術または脳血管疾患等による後遺症により摂食機能に障害があるものとされている.

 7.障害児(者)に対するリハ料の新設

 脳性麻痺等の発達障害児・者及び肢体不自由児施設等の入所・通所者(表3<pdf>)を対象患者として,表4<pdf>のような施設基準を満たした場合1日6単位まで,(1単位につき)6歳未満は190点,6〜18歳未満は140点,18歳以上は100点が算定できる.心大血管リハ以外の疾患別リハと障害児(者)リハのスペースの兼用や専任医師や専従リハスタッフの兼務は可能で,疾患別リハを算定した場合本点数は算定できない.

 8.そ の 他

 1)動作分析関連の検査は,従来重心動揺計の項目で準用されていた.今回から平衡機能検査の中で,重心動揺計と並列する形で,下肢加重検査,フォースプレート分析,動作分析検査についてリハ医学会が外保連を通じて要望したように正式な項目として認められた(点数は250点に据え置き).

 2)臨床心理・神経心理検査は,従来医師が自ら検査及び結果処理を行うという表現になっていたが,今回から医師の指示により他の従事者が自施設において行うという文章が追加され,現実的な内容になった.但し医師はその結果に基づき自ら結果を分析する必要がある.

 3)重症痙性麻痺治療薬髄腔内持続注入のための行為が,脳神経外科学会及び脊髄障害医学会と共同提案したことにより新設された.埋込型ポンプ設置術15,000点,埋込型ポンプ交換術3,000点,埋込型ポンプ薬剤再充填術320点である.

 4)訓練用仮義足のみでなく仮義手が明記され,その処方,採型,装着,調整等については従来治療装具の採型ギプスが準用されていたが,正式な項目として認められた(四肢切断の義肢装具採型法は700点,股関節・肩関節離断の義肢装具採型法は1,050点).また治療装具の採型ギプスが準用されていた義肢装具採寸法(200点),治療装具採型法(700点)の項目が新設された.

 5)消炎鎮痛等処置における注が見直されたことにより,逓減性が削除された.消炎鎮痛等処置が準用されていた低出力レーザー照射が新設項目として認められた.

 6)脳卒中ケアユニット入院医療管理料が新設され,リハに関連するこの管理料の施設基準として,当該治療室において常勤の理学療法士または作業療法士が1名以上配置されていること,脳血管疾患等リハ料(T)または(U)の届出を行っていることが必要で,包括される点数(1日につき5,700点,14日限度)とは別にリハは点数が算定できることになっている.

 7)退院前訪問指導料は360点から410点にアップした.

 9.追記:平成18年3月31日付け厚生労働省保険局医療課疑義解釈資料(その3)におけるリハに関連する部分の抜粋(問の番号は通知のものをそのまま記した)

 1)脳卒中ケアユニット入院医療管理料

 【問18】脳卒中ケアユニット管理料の施設基準に定められている理学療法士または作業療法士は,リハ(脳血管疾患等,運動器,呼吸器)を担当する理学療法士または作業療法士との兼務は可能であるか――【答】脳血管疾患等,運動器,呼吸器リハを担当する理学療法士または作業療法士は専従の配置要件であるため,脳卒中ケアユニットを担当する理学療法士または作業療法士は脳血管疾患等,運動器,呼吸器リハの担当と兼務することはできない.

 2)回復期リハ病棟入院料

 【問20】回復期リハ病棟入院料の算定対象となる患者には,下腿や足部の骨折は含まれるのか.――【答】含まれない.

 【問21】回復期リハ病棟入院料の算定対象患者の要件において,発症後3月以内に入院した患者とされていたものが,発症後2月以内に入院した患者に変更されているが,この変更により,非該当となる患者については,4月1日以降は,回復期リハ病棟入院料を算定できなくなるのか.――【答】4月1日以降も算定できる.算定対象の患者要件については,4月1日以降,新たに回復期リハ病棟入院料を算定する患者から適用となる.

 【問22】既に回復期リハ病棟入院料を算定している病院については,改めて届出が必要となるのか.また,必要な場合,様式35を提出することとなり3月の実績として患者数を記載することとなるが,問21に該当する患者についても,該当患者数として計上してよいか.――【答】改めて届出が必要.なお様式35の記載にあたっては,問21に該当する患者についても,様式35のに準ずるもの)に計上して届け出ること.

 3)リハ総則

 【問90】疾患別リハの施設基準に定められている専任の医師については,他の疾患別リハと兼任できるか.――【答】各疾患別リハの施設基準に規定する医師の要件をそれぞれ満たす場合には,兼任できる.

 【問91】疾患別リハの施設基準に規定する専従の常勤従事者については,複数の非常勤の従事者を常勤換算できるか.――【答】否.常勤の従事者とは,医療機関の定める所定労働時間を全て勤務する者である.したがって,雇用形態は問わないが,非常勤のものは含まれない.なお,ここでの専従とは当該療法を実施する日,時間において専従していることであり,例えば,水曜と金曜がリハの実施日である医療機関については,水曜と金曜以外は他の業務を行うことも差し支えない.

 【問92】所定労働時間とは,週40時間か.――【答】医療機関の定める所定労働時間であり,必ずしも週40時間でなくてよい.

 【問93】各疾患別リハの届出に係る専従の理学療法士,作業療法士,言語聴覚士については,各疾患別リハを実施しない日において訪問リハを行っている場合であれば専従の従事者として届け出てよいか.――【答】よい.

 【問94】疾患別リハに規定されている「経験を有する」という規定は,具体的にはどのようなことか.例えば「心大血管疾患リハの経験を有する専従の常勤理学療法士または,常勤看護師」とあるが,ここにいう経験とはどのようなものか.――【答】専門的な研修の例としては,平成18年4月1日現在では,心大血管疾患リハについては,日本心臓リハ学会の認定する心臓リハ指導士の研修,呼吸リハについては,日本呼吸器学会等の認定する呼吸療法認定士の研修等がある.

 【問95】機能訓練室の面積要件については,階が離れていても合算して基準の面積を確保することでもよいか.――【答】適切に従事者を配置し,適切にリハを実施できる場合は,合算により確保してもよい.なお,心大血管疾患リハについては,医師の直接監視下で行うことが原則となっているので,複数の訓練室で実施する場合は複数の医師が担当する必要がある.

 4)算定単位数制限

 【問96】1日当たり実施単位数の上限が緩和される疾患のうち,「脳血管疾患等の急性発症から60日以内の患者」とはいかなる患者を指すのか.――【答】特掲診療料の施設基準等告示別表九の四から九の七までに掲げる,各疾患別リハの対象疾患のうち,急性発症したもの.具体的には,心大血管疾患リハ料について急性心筋梗塞,狭心症発作その他の急性発症した心大血管疾患またはその手術後の患者,脳血管疾患等リハ料について脳梗塞,脳出血,くも膜下出血その他の急性発症した脳血管疾患またはその手術後の患者及び脳腫瘍,脳膿瘍,脊髄損傷,脊髄腫瘍その他の急性発症した中枢神経疾患またはその手術後の患者,運動器リハ料について上・下肢の複合損傷,脊椎損傷による四肢麻痺その他の急性発症した運動器疾患またはその手術後の患者,呼吸器リハ料について肺炎,無気肺,その他の急性発症した呼吸器疾患の患者及び肺腫瘍,胸部外傷その他の呼吸器疾患またはその手術後の患者をいう.

 5)算定日数制限

 【問97】リハの算定日数制限の除外対象となる以下の患者の診断基準等はあるのか.失語症・失認及び失行症 高次脳機能障害 重度の頸髄損傷 頭部外傷及び多部位外傷 回復期リハ病棟入院料を算定する患者 難病患者リハ料に規定する疾患 障害児(者)リハ料に規定する患者――【答】高次脳機能障害については,「高次脳機能障害診断基準」によること.その他については,関係学会等の診断基準に基づく医学的判断による.

 【問98】除外対象疾患として「重度の頸髄損傷」の「重度」の基準があるのか.身体障害者手帳の等級であれば何級程度か.――【答】医師が,算定日数上限を超え,継続的にリハを行うことにより症状の改善が見込まれると判断したもの.特段の規定はないが,定期的に評価を行い,症状の改善が認められている必要がある.

 【問99】算定日数上限の適用除外疾患のうち,「頭部外傷及び多部位外傷」とは,頭部外傷がある場合のみが該当するのか.また,多部位外傷とはどの程度のものが該当するのか.――【答】頭部外傷がなくても多部位外傷に該当し,治療の継続により状態の改善が期待できると医学的に判断される場合には,算定日数上限の適用除外となる.また,多部位外傷とは,体幹・四肢における2部位以上の骨・関節・神経・腱・靭帯の損傷であって回復に長期間を要するものが該当する.

 【問100】「回復期リハ病棟入院料を算定する患者」とあるが,回復期リハ病棟入院料算定対象となる患者であって回復期リハ病棟にいる者であれば,当該入院料を算定していなくても,除外されるのか.――【答】算定日数上限の適応除外対象とはならない.現に,回復期リハ病棟入院料を算定中の患者であることが必要である.

 【問101】「障害児(者)リハ料に規定する患者」とあるが,例えば,聴覚障害や言語障害を伴う発達障害を有する小児について,脳血管疾患等リハ料(T)を算定する場合は算定日数上限の適用除外対象となるか.――【答】障害児(者)リハ料に規定する「言語障害,聴覚障害,認知障害を伴う自閉症等の発達障害」に含まれるために適用除外に該当し,算定日数の上限を超えて脳血管疾患等リハ料(T)を算定できる.

 6)心大血管疾患リハ料

 【問102】患者1人につき1単位(T)250点,(U)100点の算定が可能と考えてよいか.――【答】要件を満たしていればよい.医師の直接の監視下に行う場合には,例えば患者20人を相手にする場合,医師2人及び理学療法士と看護師合わせて4人が必要.

 【問103】心大血管疾患リハ料の施設基準に規定する専従の看護師は,外来業務と兼任してよいか.――【答】心大血管リハの実施日以外については,兼務することも可能である.ただし,心大血管疾患リハ実施日と外来勤務日とが異なることが確認できる添付書類を添えて届け出ること.

 【問104】心大血管疾患リハ料の施設基準で,「専用の機能訓練室は,当該療法を実施する時間帯については,他と兼用できない」とあるが,時間帯を分けて実施する場合は,呼吸リハ料(U)の専用施設と兼用してかまわないか.――【答】可能.

 7)脳血管疾患等リハ料

 【問105】失語症の診断があれば,言語聴覚士のみならず,理学療法士,作業療法士も算定日数(180日)を超えて算定できるか.――【答】算定日数上限の適用除外に規定されている疾患は「失語症」である.したがって,失語症の治療に係る言語聴覚療法のみ,算定日数の上限を超えて算定できる.

 【問106】言語聴覚療法の基準を満たすものとして脳血管疾患等リハ料(T)を届け出ている施設において,理学療法を行った場合,脳血管疾患等リハ料(T)を算定できるか.――【答】算定できない.言語聴覚療法のみを実施する場合に適用される施設基準により,脳血管疾患等リハ料(T)を届け出ている医療機関では,理学療法,作業療法を行っても,脳血管疾患等リハ料(T)250点は算定できない.

 8)運動器リハ料

 【問107】運動器リハ料(T)の医師要件とされている,「適切な運動器リハに係る研修」とはどのような研修か.――【答】運動器リハに関する理論,評価法及び医療保険等に関する総合的な内容を含む数日程度の研修会であって,関係学会等により開催されているものを指す.平成18年4月1日現在では,日本運動器リハ学会の行う運動器リハ医師研修会等.

 【問108】「研修を終了したあん摩マッサージ指圧師等」とあるが,「等」には看護師,准看護師,柔道整復師,はり師,きゅう師は含まれるのか.――【答】はり師,きゅう師は含まれない.看護師,准看護師,柔道整復師は含まれる.

 【問109】運動器リハ料(T)の従事者の要件とされている,「適切な運動器リハに係る研修」とはどのような研修か.――【答】運動器リハに関する理論,評価法等に関する基本的内容を含む研修会であって,関係学会等により開催されているものを指す.平成18年4月1日現在では,日本運動器リハ学会の行う運動器リハセラピスト研修,全国病院理学療法協会の行う運動療法機能訓練技能講習会.

 【問110】あん摩マッサージ指圧師等が勤務しているが,理学療法士が勤務しているものとして運動器リハ料(T)を届け出ている施設において,非常勤の理学療法士,作業療法士がリハを行う場,180点を算定できるか.また,施設基準に規定する専従の常勤従事者として届け出たものを含め,あん摩マッサージ指圧師等が算定できるのは運動器リハ料(U)の点数(80点)になるのか.――【答】理学療法士,作業療法士が行う場合は,運動器リハ料(T)の点数(180点)を算定できる.あん摩マッサージ指圧師等が行う場合は,運動器リハ料(U)の点数(80点)を算定する.

 【問111】「あん摩マッサージ指圧師等の従事者が訓練を行った場合については,当該療法を実施するに当たり,医師または理学療法士が事前に指示を行い,かつ事後に当該療法に係る報告を受ける場合にあっては,所定点数の80点を算定できる.」となっているが,毎回の訓練において指示が必要なのか,また事後報告については,実施記録への理学療法士のサイン等が必要なのか.――【答】毎回の訓練において,リハ実施計画及び患者の状態等に基づく指示が必要である.ただし,症状が安定しており,同じ療法を一定期間継続する場合などにおいては数日分まとめて指示をすることも可能である.また,事後報告に関し実施記録を利用する場合には,報告を受ける者による確認後のサインが必要である.

 【問112】適切な運動器リハに係る研修を終了し,理学療法士が勤務しているものとして運動器リハ料(T)の届出が行われているあん摩マッサージ指圧師等の従事者が訓練を行う場合にも,毎回の訓練において医師または理学療法士の事前の指示かつ事後の報告が必要なのか.――【答】その通り.

 【問113】運動器リハ料(T)の施設基準に規定されているあん摩マッサージ指圧師等を専従の常勤従事者として届け出ている場合は,他の疾患別リハの施設基準に規定されている専従の常勤理学療法士についても同様に届出ができるか.――【答】できない.特例的に,適切な研修を終了したあん摩マッサージ指圧師等を専従の常勤従事者として届け出ることができるのは,運動器リハ料(T)だけである.したがって,他の疾患別リハの専従の常勤理学療法士として届け出ることはできない.

 9)摂食機能療法

 【問114】摂食機能療法の算定制限が緩和され,「治療開始日」から3月以内は毎日算定できることとなったが,治療開始とはどのような場合か.ある疾患で入院中に摂食機能療法を実施した後に退院し,1月後,同じ疾患が悪化したために再び摂食・嚥下機能が低下し,再び摂食機能療法を開始した場合にはどうか.――【答】ある疾患により摂食・嚥下機能に障害を来たして,摂食機能療法を新たに開始した日を治療開始日とする.また,摂食機能療法により,経口摂取が可能となり摂食機能療法を終了した後,病状の悪化等により再び摂食機能療法を開始した場合は,その開始日を「治療開始日」として再び算定できる.その際,摘要欄に治療開始日等を記載すること.

 10)障害児(者)リハ料

 【問115】障害児(者)リハ料の届出は,「児童福祉法(昭和22年法律第164号)」第43条の3及び第43条の4に規定する肢体不自由児施設及び重度心身障害児施設または同法第27条第2項に規定する国立高度専門医療センター及び独立行政法人国立病院機構の設置する医療機関であって厚生労働大臣の指定する医療機関」に限られるのか.――【答】その通り.

 【問116】肢体不自由児入所施設の外来患者に対して行う場合も,障害児(者)リハ料を算定可能か.――【答】すでに通知の通り,算定可能.

 お わ り に

 以上の内容は,今後厚生労働省保険局医療課から出される通知により変更される可能性はあり,またその解釈については各地方社会保険事務局等において異なる場合もあることから,注意が必要である.


(リハ医学43-5掲載)