物理教育委員会
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58期委員会報告


日本物理学会物理教育委員会
第58期(2002.9.1-2003.8.31)活動報告

2003.8.15


日本物理学会の物理教育委員会の第58期(2002年9月1日〜2003年8月31日)の活動は以下の通りであった。

1.第58期委員会

1)構成
委員長覧具 博義(東京農工大)
幹 事渡邊 靖志(東工大)
委 員青野  修(自治医大)川勝  博(香川大教育)重成 武(電通大)
滝川 洋二(ICU高校)田口 善弘(中央大理工)波田野 彰(帝京平成大)
兵頭 俊夫(東大総合文化)前原 俊信(広島大教育)増子  寛(麻布高校)
松浦  執(東海大開発工) 森  昌弘(名大情報文化)
2)会議
第58期においては以下の通り6回の会議を機械振興会館で開催した。
  第58−1回 2002年 9月28日(土)  第58−2回 2002年11月30日(土)
  第58−3回 2003年 2月22日(土)  第58−4回 2003年 5月17日(土)
  第58−5回 2003年 7月 5日(土)  第58−6回 2003年 8月 5日(火)

3)主な検討事項
  主な検討事項は以下の通りであった。

  • 第58期活動方針
  • 2003年度公開講座の準備
  • 2004年度公開講座の企画
  • 第58回年次大会総合講演講師の推薦
  • 本会の教育・普及活動のあり方
  • 国立科学博物館・日本物理教育学会との共同事業
    「2003年度自然の不思議 物理教室」の開催
  • 高校と大学の接続の改善
  • 物理教員養成態勢
  • 理数系学会教育問題連絡会への対応
  • 物理オリンピックに関する諸問題
  • AsPENへの対応
  • 国際交流
  • 新指導要領への対応と高校物理教科書
  • 大学入試センター試験の出題教科・科目
  • 新課程における「物理II」の大学入試での取り扱いに関する提案のとりまとめ

2.「大学の物理教育」の刊行

1)刊行期日、ページ、刊行部数
   以下の通り刊行した。
   2002−3号:2002年11月15日発行、B5判 68ページ、2,300部
   2003−1号:2003年 3月15日発行、B5判 72ページ、2,300部
   2003−2号:2003年 7月15日発行、B5判 92ページ、2,300部
   現在2003−3号(2003年11月号)を編集中。
2)第58期編集委員
   第58期編集委員は以下の通りであった。
   委員長:松浦 執(東海大開発工)
   委 員:赤羽 明(埼玉医大)、伊東敏雄(電通大)、大野栄三(北大教育)
        定本嘉郎(上越教育大)、鈴木康夫(拓殖大工)、田口善弘(中大理工)
        並木雅俊(高千穂大)、波田野彰(帝京平成大)
3)会議開催期日
   編集会議は以下の期日に(株)学術図書出版社(東京都文京区本郷)の会議室を借りて開催した。
2002年
   第58- 1回  9月28日(土) 第58- 2回 10月19日(土)
   第58- 3回 10月26日(土) 第58- 4回 10月31日(木)
2003年
   第58- 5回 1月25日(土) 第58- 6回 2月15日(土)
   第58- 7回 2月22日(土) 第58- 8回 2月27日(木)
   第58- 9回 5月24日(土) 第58-10回 6月21日(土)
   第58-11回 6月28日(土) 第58-12回 7月 2日(水) 4)記事
2003-2号に「特集 理工系物理学基礎教育の再編」を掲載したほか、「講義室」20編、「実験室」6編、「教育実践」7編、「教育報告」7編、「教育に関する一言」3編、「学会報告」2編、等の記事を掲載した。

3.「公開講座の開催

  1994年以降、文部科学省の助成を受けて開催してきた公開講座を今期においては以下の通り開催した。聴講者は132名、助成額は124万円であった。聴講者と講師の間で活発な議論が行われた。
  テーマ:超低温気体のボース・アインシュタイン凝縮 −物質の粒子性と波動性−
  主 催:日本物理学会
  期 日:2002年11月2日(土)12:00〜17:30
  場 所:東京大学駒場キャンパス13号館1313教室
  プログラム:
   大学院生による研究紹介
   清水富士夫(電通大):光と物質の波動性
   坪田 誠(大阪市立大理):ボース・アインシュタイン凝縮とは何か
   久我隆弘(東大総合文化):原子のレーザー冷却
   上妻幹旺(東工大理工):コヒ―レント原子波の応用
  世話人:久我隆弘(東大総合文化)、田口善弘(中央大理工)
       兵頭俊夫(東大総合文化)、覧具博義(東京農工大工)

4. 科学博物館・日本物理教育学会との共催事業

 本会と日本物理教育学会、科学博物館の共催により以下の通り開催した。会場は国立科学博物館新宿分館(新宿区大久保)を利用している。
1)「2002年度 物理教室」の開催
  第3回  「紙飛行機を作って、飛行機の原理を知ろう」(2002.9.14(土))
      講師:高橋静昭(工学院大)
  第4回 「浮沈子のなぞ」(2002.10.26(土))
      講師:吉野益弘(芝浦工大)
  第5回 「丸い虹を作ろう」(2002.12.14(土))
      講師:小野啓一(都立駒場高校)
2)「2003年度 自然の不思議 物理教室」の開催
  第1回 「ガイガー管を作って身のまわりの放射線を見つけよう」(2003.6.7(土))
      講師:三門正吾(千葉県立柏高校)
  第2回 「電気とロボット(移動型)の仕組みについて」(2003.7.5(土))
     講師:横山修一(工学院大)
なお今後2003中の開催予定は以下の通りである。
  第3回 「手軽に作る無重力空間」(2003.9.6(土))
      講師:森 雄兒(都立昭和高校)
  第4回 「電池をためす」(2003.11.15(土))
     講師:田村 博、那須崇夫(放送大)
  第5回 「偏光の不思議」
     講師:伊東敏雄(電通大)

5. 新学習指導要領による2006年以降の物理の大学入試問題に関する提案の検討

  2003年4月から実施された新しい学習指導要領による教育を受けた高校生が2006年には大学入学試験を受けることになる。新学習指導要領においては高校理科、とくに物理が非常に過密となり、入学試験のあり方を検討する必要があると思われる。前期において本会は大学入試センターが公表した「平成18年(2006年)からの大学入試センター試験の出題教科・科目等について−中間まとめ−」に対して意見書を提出した。2003年6月4日に発表された理科の出題科目のグループ分けは、上記中間まとめに対して各界から提出された意見を考慮したと思われる内容になっている。
  すでに日本物理教育学会や、同学会近畿支部では新課程の物理の大学入試に関して要望書を各大学等に提出しており、本委員会としても提案をまとめて理事会の承認を得たうえで日本物理学会の提案として公表することを目指して、WGで原案をまとめ、さらに本委員会で検討を重ねた。提案は2003年8月の理事会に提案するはこびになっている。

6. 年次大会の総合講演講師の推薦

 第56期物理教育委員会は「教育問題の重要性にかんがみ、今後毎年の物理学会の年次大会において総合講演講師の推薦を行う」ことを決めた。この決定にもとづき第58回年次大会(2003.3.28-31、東北大学および東北学院大学)の総合講演講師候補として笠耐氏(前上智大学)の推薦を決めた。その後小柴昌俊氏が2002年度ノーベル物理学賞受賞者に選ばれ、総合講演講師は同氏と1973年にノーベル賞を受賞された江崎玲於奈氏に決まった。なお笠氏は日本人としては初めてIUPAPのICPE Medalを受賞されることになり、総合講演に先立って同氏の表彰が行われた。

7. 理数系学協会教育問題連絡会への参加

 標記連絡会は「算数・数学・理科教育に密接な関連を持つ自然科学系諸学会が集まり、教育問題について全体の流れおよび各学会での活動について定期的に情報・意見交換を行うとともに、必要な場合は共同して活動する」という趣旨のもとに結成され、活動を行っている。今期においては、本会からは北原和夫会長のほか、兵頭俊夫、波田野彰、覧具博義の各委員が連絡会委員をつとめた。

1)参加学協会
2003年8月現在の参加学協会は以下の通りである。
   物理関係:(社)応用物理学会、(社)日本物理学会、日本物理教育学会
   数学関係:日本応用数理学会、(社)日本数学会、(社)日本数学教育学会
   化学関係:(社)日本化学会、日本化学会化学教育協議会
   生物科学学会連合:(社)日本動物学会、(社)日本植物学会、
               (社)日本生化学会、日本生物教育学会
2)会議開催
今期においては次の通り連絡会議が開催された。
   第28回 2002年9月17日(火)  第29回 2002年11月19日(火)
   第30回 2003年1月20日(月)  第31回 2003年 3月15日(土)
   第32回 2003年5月26日(月)  第33回 2003年 7月14日(月)

8. その他の諸問題の検討

本会の教育・広報活動の強化、AsPEN NPCの委嘱、教育関係の欧文論文の発表、高校と大学の接続の改善、物理教員養成体制、国際交流の強化、関連学会との連携強化等の諸問題について検討ならびに意見交換を行った。

9. その他

9-1. 日本技術者教育認定機構(JABEE)への対応
 本会は1999年12月の理事会の決定にもとづき2001年3月8日にJABEE(日本技術者教育認定機構、Japan Accreditation Board for Engineering Education)に正会員として加入した。JABEEへの対応は本委員会で検討してきたが2001年10月の理事会で理事会の下にJABEE委員会を設置することが承認され、JABEEへの対応は同委員会が行うことになったため、本委員会としては必要に応じて報告・意見交換を行うこととしてきた。今期における主なJABEE関連事項は以下の通りであった。なお本委員会から覧具委員長、田口・波田野委員がJABEE委員会に参加している。
1) JABEE委員会議の開催
今期において次の通り会議が開催された。
   第6回 2002年12月26日(木)   第7回 2003年5月23日(金)
   第8回 2003年 8月25日(月)
2)「応用物理学関連学協会間『日本技術者教育認定制度』連絡協議会」への参加
  2000年6月30日に発足した標記協議会に、本会から覧具委員長と波田野委員が参加している。
今期における会議は以下の期日にJABEE幹事学会である応用物理学会の事務局で開催された。
   第10回会議 2002年10月30日(木)  第11回会議 2003年4月19日(土)
  なお現在、標記「連絡協議会」への参加学協会は以下の通りである。 
○会員:(社)日本物理学会、(社)応用物理学会、(社)可視化情報学会、原子衝突研究協会、(社) 日本科学史学会、日本色彩学会、(社)日本真空協会、(社)日本セラミックス協会、(社)日本電子顕微鏡学会、(社)プラズマ・核融合学会、日本表面科学会 ○オブザーバー参加:エレクトロニクス実装学会、(社)日本応用磁気学会、(社)日本音響学会、日本結晶学会、 (社)日本原子力学会、 (社)日本航海学会、日本赤外線学会、日本物理教育学会、日本放射光学会、(社)レーザー学会
3)本会審査員候補者について
  本会では以下の方々にJABEE審査員候補者をお願いしている。これらの方々は、すでに審査員養成研修会を修了されている。
   青野  修(前自治医大)  有山 正孝(前電通大)  伊東 敏雄(電通大)
   大井喜久夫(前早大理工)  大林 康二(興和(株))  岡崎  誠(前筑波大)
   風間 重雄(中央大理工)  桂川 秀嗣 (東邦大理)  川久保達之(桐蔭横浜大工)
   北原 和夫(ICU)       小林てつ郎         近 桂一郎(早大理工)
   鈴木 康夫(拓殖大工)    田口 善弘(中央大理工)  波田野 彰(帝京平成大)
   原  康夫(帝京平成大)   宮脇 澤美(中部大工)   覧具 博義(農工大工)
4)NEDOからの受託による調査事業の実施
  本会ではNEDO(新エネルギー産業技術総合開発機構)から「平成14年度の技術分野の認定審査試行調査(応用物理分野)」を受託して「応用物理学関連学協会間『日本技術者教育認定制度』連絡協議会」参加学協会の協力を得て以下のような事業を行った。なおこれらの調査結果についてはNEDOに報告書を提出した。近くwebで公開される予定である。
a)審査の試行
  東邦大学理学部物理学科物理エンジニアコースを対象として、2002年12月12日〜13日に実地審査の試行を行った。本会からは審査チームに有山氏(審査長)、波田野氏、原氏がメンバーとして参加した。
 b)審査員養成研修会の開催
  2003年1月25日、東京において物理・応用物理分野の審査員養成研修会を開催した。参加者は88名であった。
c)イギリス・ドイツ・オランダ、オーストラリアおよび香港における外部認定制度の調査
以下の通り上記の国々における外部認定制度について調査を行った。
i) イギリス・ドイツ・オランダ:2002年12月1日〜6日。本会からは北原和夫氏と覧具博義氏が参加。
ii) オーストラリア:2003年2月19日〜25日。本会からは田口善弘氏が参加。
iii) 香港:2003年3月3日〜7日。本会からは波田野彰氏と覧具博義氏が参加。

9-2.国際物理オリンピックおよびアジア物理オリンピアードへの参加問題の検討
 本会はかねてから国際物理オリンピックおよびアジア物理オリンピアードへの参加を求められている。第416回(2001.9.1)理事会において、理事会の下に検討のためのWGの設置が承認され、第427回理事会(2002.8.23)に答申が提出され、応用物理学会および日本物理教育学会の三者連絡会の発足が承認された。現在、参加に関する諸問題の検討が行われている。本委員会では、この検討会の検討内容について、必要に応じて協力するために報告を受けてきた。