物理教育委員会
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59期委員会報告


日本物理学会物理教育委員会
第59期(2003.9.1-2004.8.31)活動報告

2004.8.03


日本物理学会の物理教育委員会の第59期(2003年9月1日〜2004年8月31日)の活動は以下の通りであった。

I 第59期委員会

1)構成
委員長渡邊靖志(東工大理工)
幹 事松浦 執(東海大)
委 員川勝 博(香川大)北原和夫(ICU理)重成 武(電通大)
鈴木康夫(拓殖大)滝川洋二(ICU高校)新田英雄(東京学芸大)
波田野 彰(帝京平成大) 兵頭俊夫(東大総合文化) 前原俊信(広大)
増子 寛(麻布高校)覧具博義(東京農工大)

2)会議
第59期においては以下の通り6回の会議を1回目は機械振興会館、2回目以降は移転先の日本物理学会会議室で開催した。
  第59−1回 2003年9月26日(金)    第59−2回 2003年11月29日(土)
  第59−3回 2004年1月31日(土)    第59−4回 2004年 4月3日(土)
  第59−5回 2004年5月29日(土)    第59−6回 2004年 7月28日(水)

3)主な検討事項
主な検討事項は以下の通りであった。

  • 第59期活動方針
  • 公開講座の開催:2004年度の準備と2005年度の企画
  • 国立科学博物館・日本物理教育学会との共同事業「2004年度自然の不思議 物理教室」の開催
  • 科学リテラシーをすべての生徒に保証するための緊急提言
  • 第59回年次大会総合講演講師の推薦
  • 理数系学会教育問題連絡会への対応
  • 2005世界物理年への対応
  • JABEEへの対応
  • 本会の教育・普及活動のあり方
  • 高校と大学の接続の改善
  • 物理教員養成態勢の改善
  • 支部との連携の強化
  • AsPENへの対応
  • 国際交流の促進
  • 新指導要領への対応と小・中・高校物理教科書の改善

II 今期とくに行った活動

  1. 科学リテラシーをすべての生徒に保証するための緊急提言
    新指導要領を不断に見直していくという文部科学省の姿勢のもと、中央教育審議会初等中等教育分科会教育課程部会が組織され、兵頭委員が理科専門部会の委員に任命された。そこでの議論に反映させるべく、手遅れにならないうちに学会から発信していく必要性を痛感し、まずは全小中学生に科学リテラシーを保証するための提言を6月にまとめた。物理教育学会のWG(川勝主査)が中心となってまとめた案を本委員会および理事会で議論してフィードバックし、物理教育学会、応用物理学会と共同で中央教育審議会宛等に送付した。

  2. 理科教育に関する要望書作成ワーキンググループの立ち上げ
    より踏みこんだ提言を9月早々を目標にまとめるため、本委員会のもとに標記WGを設置し、兵頭委員に主査をお願いした。

  3. 支部との連携
    支部との連携を強化する必要性から、議事録案や緊急提言を各支部(shibucho@jps.or.jp)へ配布し、双方向の議論を募ることとした。教育問題の深刻さについて、全国レベルの議論が沸き起り始めている。

  4. emailでの議論等
    年6回程度の会議での議論では不十分なことからedcom@jps.or.jpというメーリングリストを作成し、緊急の話題等について議論できるようにした。さらに、物研連物理教育小委員会との連携のためにkyoiku@jps.or.jpというメーリングリストも作成した。

  5. 学術会議との連携
    本委員会委員の北原委員を委員長として学術会議に「理科離れ特別委員会」が設置され、理工系大学卒業生の小・中学校教員への可能性の拡大などの方策を検討している。

  6. 2005世界物理年への対応
    鈴木委員を同委員会に派遣し、協力して推進することにした。その一環として、世田谷区物理教室を中学生向けに毎土曜日開催すること、2005年には物理コンテストを開催することなどが決定された。

  7. センター試験物理の問題の新聞への掲載割愛への抗議文送付
    毎日新聞と産経新聞がセンター試問題のうち物理(と地学)の問題を掲載しなかったことについて遺憾の意を表明する文書を送り、後ほど電話でその対応を聞いた。来年度も監視し、すばやく対応する必要がある。

  8. 小・中・高校での理科の教科書の検討
    代表的な出版社からの小・中・高校の理科の教科書を購入し、その内容を検討した。小学校の教科書はカラフルであるが、内容が薄弱であることなどが指摘された。

III 定常的な活動

  1. 「大学の物理教育」の刊行
    1)刊行期日、ページ、刊行部数
      以下の通り刊行した。
    2003−3号:2003年11月15日発行、B5判 80ページ、2,300部
    2004年Vol.10,No.1:2004年 3月15日発行、B5判 68ページ、2,200部
    2004年Vol.10,No.2:2004年 7月15日発行、B5判 68ページ、2,100部
    現在2004年Vol.10,No.3号(2004年11月号)を編集中。
    2)第59期編集委員
    第59期編集委員は以下の通りであった。
    委員長:大野栄三(北大教育)
    委 員:赤羽 明(埼玉医大)、伊東敏雄(電通大)、定本嘉郎(上越教育大)、
        佐藤実(東海大理)、鈴木康夫(拓殖大工)、田口善弘(中大理工)、
        並木雅俊(高千穂大)、波田野彰(帝京平成大、04.4〜放送大)、
        松浦 執(東海大開発工)
    3)会議開催期日
    編集会議は以下の期日に滑w術図書出版社(東京都文京区本郷)の会議室を借りて開催した。
    2003年
    第59- 1回 9月28日(土)  第59- 2回 10月18日(土)
    第59- 3回10月25日(土)  第59- 4回 10月30日(木)
    2004年
    第59- 5回 1月24日(土)  第59- 6回 2月14日(土)  第59- 7回 2月21日(土)
    第59- 8回 5月22日(土)  第59- 9回 6月12日(土)  第59-10回 6月19日(土)
    第59-11回 8月12日(木)
    4)記事
    2003-3号に「特集 21世紀COEプログラム」を、10周年を記念して10-1号に「これまでの10年、これからの10年」を掲載した。

  2. 公開講座の開催
    1994年以降、文部科学省の補助を受けて開催してきた公開講座を今期においては以下の通り開催した。聴講者は118名、補助金額は130万円であった。聴講者と講師の間で活発な議論が行われた。
      テーマ:カーボン原子があやなすナノの世界
      主 催:日本物理学会
      期 日:2003年10月25日(土) 13:00〜16:45
      場 所:中央大学理工学部5号館5533号室(東京都文京区春日1-13-27)
      プログラム:開会のあいさつ 潮田資勝(日本物理学会会長)
            サッカーボール分子とフラーレンの世界 篠原久典(名大院理)
            ナノチューブを操る一寸法師たち 齋藤理一郎(東北大院理)
            デモンストレーション・休憩
            竹かごとナノチューブ 飯島澄男(NEC基礎研、名城大理工)
      世話人:田口善弘(中央大理工)、兵頭俊夫(東大総合文化)、覧具博義(東京農工大工)
     来期には、次のとおり行う予定である(科研費補助金106万円)。
      テーマ:ニュートリノ 〜この未知なるものとそれをとりまくもの〜
      主 催:日本物理学会
      期 日:2004年11月6日(土) 13:00〜16:45
      場 所:中央大学理工学部5号館5533号室(東京都文京区春日1-13-27)
      プログラム:開会のあいさつ 和達三樹(日本物理学会会長)
            ニュートリノ実験とニュートリノの重さについて 梶田隆章(宇宙線研)
            太陽ニュートリノ問題とカムランド実験 鈴木厚人(東北大院理)
            デモンストレーション・休憩
            素粒子の統一理論:ニュートリノからのメッセージ 坂東昌子(愛知大法)
      世話人:梶田隆章(宇宙線研)田口善弘(中央大理工)、新田英雄(学芸大)、渡邊靖志(東工大)
     2005年には、新田委員が中心となってアインシュタインにちなんだ講演を行うことにし、講師等  を決定しつつある。

  3. 科学博物館・日本物理教育学会との共催事業
    本会と日本物理教育学会、科学博物館の共催により以下の通り開催した。会場は2003年度は国立科学博物館新宿分館で、2004年度は同博物館上野本館(新館)で行われている。
    1)「2003年度 物理教室」の開催
    第3回 「手軽に作る無重力空間」(2003.9.6(土))
    講師:森 雄兒(都立昭和高校)
    第4回 「電池をためす」(2003.11.15(土))
    講師:田村 博、那須崇夫(放送大)
    第5回 「偏光の不思議」
    講師:伊東敏雄(電通大)
    2)「2004年度 自然の不思議 物理教室」の開催
    第1回 2004年 6月 5日(土)  [立てた紙の上に乗ってみよう]
    講師:滝川洋二(ガリレオ工房,国際基督教大学高校)
    第2回 2004年 7月17日(土)  [電気の力:モーターを作ろう]
    講師:鷹野一朗(工学院大学電気工学科)
    なお次期期間中になるが、今後2004年中の開催予定は以下の通りである。
    第3回 2004年 9月 4日(土) [タッチセンサーを作ろう]
    講師:影森徹(早稲田大学本庄高等学院)
    第4回 2004年11月 6日(土)  [静電気の不思議:静電気モーターを作ってみよう]
    講師:有山正孝(電気通信大学名誉教授)
    第5回 2004年12月 4日(土)  [起電ポンプ]
    講師:右近修治(県立横浜桜陽高校)

  4. 年次大会の総合講演講師の推薦
    第56期物理教育委員会は「教育問題の重要性にかんがみ、今後毎年の物理学会の年次大会において総合講演講師の推薦を行う」ことを決めた。この決定にもとづき第59回年次大会(2004.3.27-30、九州大学)の総合講演講師候補として北原和夫氏(国際基督教大学)の推薦を決めた。総合講演講師は同氏と韓国物理学会会長Chung-Nam Whang氏、および仁科記念財団の西島和彦氏に決まった。北原氏の演題は「『理科離れ』社会から『安心・安全・信頼』社会への科学者の役割」というものだった。

  5. 理数系学協会教育問題連絡会との連携
    標記連絡会は「算数・数学・理科教育に密接な関連を持つ自然科学系諸学会が集まり、教育問題について全体の流れおよび各学会での活動について定期的に情報・意見交換を行うとともに、必要な場合は共同して活動する」という趣旨のもとに結成され、活動を行っている。7月から地球惑星科学関連学会が加わり、理科の全分野をカバーできるようになった。今期においては、本会からは潮田資勝会長のほか、波田野彰、兵頭俊夫、渡邊靖志の各委員が連絡会委員をつとめた。
    1)参加学協会
    2004年7月現在の参加学協会は以下の通りである。
    物理関係:(社)応用物理学会、(社)日本物理学会、日本物理教育学会
    数学関係:日本応用数理学会、(社)日本数学会、(社)日本数学教育学会
    化学関係:(社)日本化学会、日本化学会化学教育協議会
    生物科学学会連合:社)日本動物学会、(社)日本植物学会、(社)日本生化学会、日本生物教育学会
    地球惑星科学関連学会連絡会:資源地質学会、水文・水資源学会、地球電磁気・地球惑星圏学会、日本応用地質学会、日本海洋学会、日本火山学会、日本岩石鉱物鉱床学会、日本気象学会、日本鉱物学会、日本地震学会、日本水文科学学会、日本測地学会、日本第四紀学会、日本地下水学会、日本学会、日本地学教育学会、日本地球化学会、日本地質学会、日本天文学会、日本陸水学会、日本惑星科学会
    2)会議開催
    今期においては次の通り連絡会議が開催された。
    第34回 2003年 9月 8日(月)  第35回 2003年11月10日(月)
    第36回 2004年1月13日(火)  第37回 2004年 3月18日(木)
    第38回 2004年5月12日(水)  第39回 2004年 7月14日(水)
    3)公開シンポジウム「理数系教育の再生を目指して−現場からの提言、現場への提言−」の開催
    東京大学教養学部「中等教育・高等教育連携プロジェクト」及び連絡会に参加している各学会との共同主催で行なった。
       2003年12月13日(土)13:30-17:30
       東京大学(駒場)13号館1313教室

  6. JABEE委員会への対応
    JABEEは大学の教育改善の観点から重要なので連携している。委員長は物理学会理事になるという規定から、教育委員会委員長がJABEE委員会委員長を兼ねている。

IV その他の諸問題の検討

本会の教育・広報活動の強化、AsPEN NPCへの参加、教育関係の欧文論文の発表、高校と大学の接続の改善、大学入試物理出題範囲制限のその後、物理教員養成体制、国際交流の強化、関連学会との連携強化等の諸問題について検討ならびに意見交換を行った。