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2011-2012年度(第8期)
会長 山中勝次
3月11日の東北地方太平洋沖地震および長野県北部を震源とする地震に被災された会員の方々にたいし,心よりお見舞いを申し上げます.一日も早く復旧されますよう心からお祈り申し上げます.日本きのこ学会では復旧支援のための技術相談を実施するとともに,被災されたきのこ関連の産官学の皆様の復興の対応策をできるだけ早く構築するために,被災状況の情報収集に努めているところであります.また,福島第1原発事故の影響を受け,一部の野菜が出荷制限され,安全な野菜までに風評被害がでて出荷もままならない深刻な事態となっております.なんの根拠もない風評がきのこに向くようなことがあれば日本のきのこ産業にとって由々しき問題です.きのこの風評被害を避けるために,日本きのこ学会が一致団結してあらゆる方策を考えていかねばなりません.このような時代状況にあるなかで,この困難を乗り越えて被災地のきのこ産業が完全に復活し,一刻も早く安定したきのこ生産と,安全なきのこの出荷と販売,安心できるきのこの消費が継続されるように,会員の皆様のご協力をお願い申し上げます.
さて,かねてより懸案事項となっておりました,会員の直接選挙による会長の選出や会長指名理事の新設など選挙規程の一部改定,特別会員の新設, 名誉会員選考規程や名誉会員選考細則などの新規制定などの会則改定案は, 昨年の総会でご承認いただきました.会則にはさらに改定すべき点もありますが,今後,引き続き検討してまいります.
会則改定後の新制度のもとで行われた会長選挙で,はからずもわたくしが昨期に続いて会長に選出されました.会誌2009年度1号の巻頭言で「これからの学会運営を担っていかれる覇気あふれる新進の研究者・技術者にバトンを引き継いで行くことがわたしの務めと考えています」と書きながら, わたしのような高齢者が選出されたことをいささか面映く思っています.同時に,これまでのように理事の互選によって選出された会長ではなく,会員による選挙によって選出されたことを光栄に思っております.日本きのこ学会の改革とますますの発展のために,誠心誠意努力してまいる所存ですので,今後とも会員の皆様のご協力をいただきますようお願い申し上げます.
ところで,前期が始動した当初から問題となっていた,前々期に発生した会費納入状況の把握の不備や,これに起因する会費の二重請求,会員情報の管理の著しい不備,不透明な経理内容などは,前期事務局担当の会見理事の猛烈な奮闘によりすべて整理されました.不明朗経理と長年の無更新のために九州から引き上げたホームページは,明間幹事の管理のもとでこまめに更新されて十分に機能を発揮しております.きのこ関連産業に役立つ情報や,きのこの研究や開発に直接活かせる資料を掲載することを目的に企画された「日本きのこ学会ニュースレター」は,2010年12月から刊行されました.暫定的に年2回,試行的に発行されましたが,今後,会員の皆様のご意見をお聞きし,正式な定期刊行物とすべきかどうかの検討をいたします.このように会員サービスの充実を目指した前期でしたが,まだまだ十分とは申せません.会員の皆様からのご要望・ご意見をお待ちしております.
「日本きのこ学会誌」は鈴木前編集委員長はじめ前編集委員のかたがたのご努力により,投稿要領の一部改定,紙面の割付における余白部分の適正化,紙質の向上など一つ一つ改革されてまいりました.「日本きのこ学会誌」は本学会の「顔」であり,「きのこの科学・技術ときのこ産業の発展に資するもの」であります.ぜひとも多くの会員の皆様からの投稿をお待ちしています.「日本きのこ学会誌」はすでに18巻1号より電子ジャーナル化(オンラインジャーナル化)されておりますが,会員のメリットを考慮して発行から2年間は有料(pay per view ¥900),2年経過後はオープンアクセスとなります. 海外への情報発信の大きな武器となるでしょう.
以上のように,前期にはいくつかの改革を行ってまいりましたが, まだまだ問題も残っています.とりわけ, 今回のような東日本大震災に際して,日本きのこ学会として被災されたきのこ生産者の方々にたいして迅速に対応できる体制がとれていなかったことが大きな反省点です.今期の重要な課題は, 本学会がいかに社会的要請に答えられるのか,社会に何が発信できるのか,を真剣に討議し新たな展開を図ることでしょう.きのこ生産現場はもとより, 小学校・中学校・高等学校へも出かけていく「開かれた学会」となるように努力いたします.そのため,これまでにも増して会員の皆様のご協力をお願い申し上げます.
(本稿は日本きのこ学会誌第19巻1号に掲載されました)
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