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(1) 3月10日締切りの公募にたいして、5件の応募がありました。
・「ライフストーリー研究の射程と地平」佐々木てる
・「リスクと社会の境界――テクノサイエンスにどう向き合うか」立石裕二
・「吉田理論の提起したもの――批判的検討」長谷川公一
・「Archives
in the information Society」Keiji
FUJIYOSHI
・「日本と東アジアにおける多元的近代」 鈴木宗徳
(2) 報告希望者は、申込用紙・報告要旨・報告原稿の3点をセットにして、6月21日(必着)までに、大会発表申込システムまたは郵送で申し込んでください。大会発表申込システムで申し込む場合は、画面の指示に従い必要事項を入力のうえ、報告原稿と報告要旨をアップロードしてください。郵送の場合は3点セットを学会事務局までお送りください。報告要旨・報告原稿の書式は自由報告と同じです。
(3) テーマセッション報告の報告時間は原則として15分で、そのあとに質疑応答が数分あります。
(4) コーディネーターが調整して、7月の初旬を目処に結果をご連絡します。なお、不採択またはセッション不成立の場合に、一般研究報告I(自由報告)で報告したいかどうかを、申し込み時に希望することができます。
(5) テーマセッションの詳細は以下の通りです。
【1】ライフストーリー研究の射程と地平
@コーディネーター:佐々木てる(早稲田大学)
A趣旨:社会学における聞き取り調査の方法論は、語り手の話を分析することを主眼としてきたライフヒストリー研究から、聞き手の存在をも射程にいれて分析を行うライフストーリー研究へと注目が移行しつつある。そこでは、インタビューで語られることには語り手と聞き手の相互作用によって成立する「物語」としての側面があり、その成立過程への着目はインタビュー内容の理解にとって欠かすことができないという主張がなされている。物語=ストーリーとはまさしく創り出されるものであり、その過程を考察することは、同時に社会的な文脈=ストーリーを考察することにも繋がっている。そのためライフストーリー研究とは調査者、被調査者といった関係性を超え、人が時空間を共有していることを前提に成立する研究である。
ではライフヒストリー研究は、それほど無自覚に聞き手と語り手の関係を無視し続けているものであるのか。視点をかえればライフヒストリー研究は、ライフストーリーをすでに包括している研究といえるのではないか。また近年では、アクティヴ・インタビューといった相互作用に注目した調査法も登場している。構築主義的な視点を持つことは、何もライフストーリー研究に特化してのものではない。ではライフストーリー研究の独自性と、可能性はどこにあるのか。用語としてのライフストーリー研究が一人歩きを始めている中、聞き取り調査の持つ利点や課題も含め、問い直しが必要な時期にさしかかっているのではないか。
ライフストーリー研究とは、聞き取り資料のみならず、書簡やエッセイ、写真など多くの生を語るものを分析する研究法としての広がりを持つ。本研究部会は、こうしたライフストーリー研究の現状を再度問い直し、さらに社会学の研究法として鍛え直してゆくことを目的としている。
Bキーワード:ライフストーリー研究、物語世界、相互行為、聞き取り調査
【2】リスクと社会の境界――テクノサイエンスにどう向き合うか
@コーディネーター:立石裕二(関西学院大学)
A趣旨:地球温暖化や化学物質汚染などの一向に解決しない環境問題、クローンやゲノム医療をめぐり噴出する生命倫理の問題、そして原子力発電所や航空機などで発生する事故・・・。科学技術が発達してもリスクがなくならないどころか、科学技術の発達に伴って新しいリスクが出てくる場合が少なくない。科学と技術を抱き合わせにして推進するしくみであるテクノサイエンスは今日の生活に欠かせない反面、厄介な面を併せもつ。そのようなテクノサイエンスにどう向きあっていくべきか。そのためには、どういう社会学が必要か。
テクノサイエンスのリスクに対しては、U・ベックのリスク社会論をはじめとして、科学技術の社会学や環境社会学、医療社会学、組織社会学、産業社会学、社会変動論などの分野で理論的・実証的研究が積み重ねられてきた。そこでのテクノサイエンスの論じ方は大きく二つに分けられる。一つは、外部から変化を迫るテクノロジーに対して、生活世界や文化、市民的価値などの社会的要素を対比させるという構図である。もう一つは、テクノクラシーを廃して市民が積極的に参加し、テクノロジーを自分たちのものにするという社会的コントロールの構図である。
しかし、これらの構図は近年、リアリティを失いつつあるのではないか。テクノサイエンスに多様なアクター、価値がからむ中で、その影響を免れた本来の「社会」なるものを想定することは難しくなっている。他方、テクノサイエンスへの市民参加に対しても、市民参加とは何を指すのか、それはすべての場合において本当に望ましいのか、という根本的な疑問が突きつけられている。次々と出てくる新技術とそのリスクに対して、ユートピア的な世界や夢のテクノロジーを対置するのでない仕方できちんと向きあうことが求められている。このセッションでは、従来からの研究の積み重ねの上に、リスクと社会の関係を批判的に論じるための新しい視座をテクノサイエンスに注目して探っていきたい。環境問題や先端医療の問題、リスク・不確実性の問題など、科学技術に関わる問題を研究されている方の積極的な応募を期待しています。
Bキーワード:リスク、テクノサイエンス(科学技術)、不確実性、環境問題、生命倫理
【3】吉田理論の提起したもの————批判的検討
@コーディネーター:長谷川公一(東北大学)
A趣旨:日本を代表する独創的な理論社会学者・吉田民人(1931〜2009年)の理論的営為と問題提起の今日的意義、残された課題などについて、学問的な見地から批判的に検討する(追悼的・回顧的な性格の企画ではない)。とくに1967年発表の「情報科学の構想」以来のテーマを引き継ぎ、法則主義的な「ニュートン系科学論」と対峙する新しい科学論として構想・展開された、晩年の「プログラム科学」の提唱の意義を中心に検討したいが、所有論や自我論・主体性論、ひろくシステム理論や構造・機能主義、社会変動論、理論研究・理論創造のあり方、社会学の理論的アイデンティをどこに求めるか、国際性と同時代性、などに焦点をあてた報告でもよい。内在的批判も、社会学史的・知識社会学的検討や、現象学的な視点やジェンダー論・実証的立場などからの外在的批判も歓迎したい。とくに若い世代からの斬新な視点からのチャレンジングな問題提起を期待している。
Bキーワード:理論社会学、科学論、情報論、規範と法則、秩序原理
【4】Archives
in the Information Society
@Coordinator :Keiji FUJIYOSHI(Koyasan
University)
AThe archive is a body of records and documents created
and accumulated in business processes of any, public or private,
organization and a preservation warehouse for it. Keeping records are
indispensable to internal and external control of organizations.
Many countries have seen more and more scandals regarding public and
private record keeping and management such as the large-scale illegality
of public pension registry in Japan. These events are sometimes
discussed in terms of ‘accountability’ and in the private sector also,
organizations and companies are urged to keep their records for their
‘stakeholders’ to check their activities. These events and trends
lead to the approval of ‘Public Record Act’ at the National Diet of Japan,
in June 2009.
It is common to see the negative aspect of record
keeping, manipulation or destruction, but record keeping and archives have
many significant aspects to be studied from the sociological point of
view. They are classified in four level as follows:
1)
Governance by record management: Keeping records as the evidence of
business processes may have some effects on the job style of staff. They
may feel themselves under surveillance by ‘stakeholders’ and
posterity. This kind of consciousness can have an influence on
them.
2) Knowledge Management: Keeping records as archives may have
some effect on the knowledge management of organizations. The style
to make use of records as an material for planning and decision making may
have some variety by organizations.
3) Civil society and archives:
Accountability of the government may be maintained by keeping
records. It can be said that the right to know is ensured by
archives that keep government’s records accessible to people.
Archives are, from this standpoint, indispensable to democratic civil
societies.
4) Social integration or collective identity and archives:
Archives may have some contribution to building the communal or national
identity. Archives, however, may be perverted by the Government’s
for some kinds of propaganda. How to keep archives under the
people’s control is important but difficult, especially in the nation that
experiences internal conflicts.
Archives will provide some materials
for sociological study and the internet must be added. Digital
network makes it easy to access more and more records of
organizations all over the world, public or private. We are looking
forward to fruitful discussion under the theme ‘record keeping, archives
and civil society.’
All papers and abstracts shall be
provided in English. We welcome any paper dealing with the
theme. We also welcome graduate students who are interested in or
working on this subject and are planning to present their papers at
international conferences of any kind in the near
future.
BKeywords: archives, accountability, reflexivity,
collective identity, record and
memory
【5】日本と東アジアにおける多元的近代
@コーディネーター:鈴木
宗徳(法政大学)
A趣旨:ウルリッヒ・ベック(ミュンヘン大)をキーノート・スピーカーとして招き、討論者としてハン・サンジン(ソウル大)および油井清光(神戸大)を加えた三名が、ベックらが提起する「再帰的近代化」ないし「第二の近代」という視角を用いて、日本および東アジアの近・現代社会の基本的特性を国際的文脈のなかで再検討する。
ベックは、近年の著作において「方法論的コスモポリタニズム」の立場を提唱し、非西欧圏の社会科学者と協力しその成果を積極的に摂取しつつ、共にその理論を豊富化しようと提案している。こうした文脈において、自身の「第二の近代」論についても、西欧以外の地域を視野に入れた「第二の近代の多様性varieties
of second modernity」ないし「多元的な第二の近代multiple second
modernities」として、捉え直そうとしている。また、ハン・サンジンら韓国や中国の研究者も、これに呼応する形で「多元的近代」研究という課題を追究し始めている。したがって、日本社会を研究対象とする日本および海外の社会学者にとっても、日本社会の基本構造を、グローバルな視野の下、複数ないし多元的な第二の近代の一つとして、とくに東アジア諸国との比較において考究し再検討することは、喫緊の課題であると言える。
ベック自身、東アジアの研究者たちを巻き込んだ「第二の近代」に関わる国際共同研究に強い関心を示し、その成果をBritish
Journal of Sociologyなどの媒体に公表する準備を進めている。ハンと油井は、昨年11月にベルリンで行われたRisk and East
Asiaと題されるシンポジウムにおいて、すでにベックとともに関連するテーマで研究報告を行い、討議を深化させている。本セッションは、本年10月末から11月初旬にかけて計画されている一連のベック来日記念講演の締めくくりであるとともに、今後の共同研究のための新たな第一歩を記すものとなることが期待される。
すべての報告は英語であることが望まれる。
Bキーワード:複数の第二の近代、再帰的近代化、東アジア、コスモポリタニズム、世界リスク
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