第20回菌学ワークショップ・菌類観察会報告


期 間: 平成18年9月7日(木)〜10日(日)
 - 菌学ワークショップ:7〜9日、観察会:9〜10日 -
会場・観察地: 筑波大学菅平高原実験センター(長野県上田市)


 今回は、ワークショップのテーマを「菌根:外生菌根を中心に」とし、菌類観察会と続けて実施いたしました。菌根に関して勉強したい、最新情報を得て自分の研究に活用したいという方が、最近増えてきたと思います。また、普段観察しているきのこのいくつかは外生菌根菌であることは知っているけれども、菌根自体は見たことがないので見てみたいという声もありました。そこで、今回の企画をいたしました。連続して二つの企画を行ったため、実施期間が長くなり、通しで参加される方が少ないのではないかと心配しておりましたが、12名の方が連続して両方の企画に参加してくださいました。有り難うございます。

 第1回目の企画ご案内の際、申込書送付先のFAX番号を誤って掲載してしまい、多くの方々にご迷惑をおかけすることになりました。大変申し訳ございませんでした。謹んでお詫び申し上げます。皆様のご協力のおかげで、大きなトラブルに発展せずに済んだと思いますが、以後、このようなことがないよう注意いたします。

 以下に、ワークショップ、菌類観察会それぞれの報告をいたします。

1.ワークショップ報告

期 間: 平成18年9月7日(木)〜9日(土)
会 場: 筑波大学菅平高原実験センター
タイトル: 「菌根:外生菌根を中心に」
講 師: 山田 明義氏(信州大学農学部応用生命科学科)
担当幹事: 山岡 裕一
日 程: 9月7日(木) 15:00〜16:00 ワークショップ受付(実験棟入り口にて)
16:00〜18:00 オリエンテーション(実験棟)
18:00〜18:30 夕 食
19:00〜20:00 講 義
 9月8日(金)  8:00〜 8:30 朝 食
9:00〜12:00 講義・実習(野外観察を含む)
12:00〜12:30 昼 食
13:00〜18:00 実 習
18:00〜18:30 夕 食
19:30〜22:00 懇親会
 9月9日(土)  8:00〜 8:30 朝 食
9:00〜11:00 実 習
11:00〜11:30 総 括
11:30〜12:00 かたづけ
12:00〜12:30 昼食(昼食後閉講)

 講師に信州大学の山田先生をお迎えし、菌根、特に外生菌根について講義と実習を含むワークショップを行いました。受講者は,定員いっぱいの20名ちょうどとなりました。これからきのこの勉強を始めようという学生さんからベテランの方まで、様々な年齢層の方に参加いただきました。一日目と二日目の午前中には、菌根、特に外生菌根、イチヤクソウ型菌根、シャクジョウソウ型菌根について詳しい講義を受けました。その後、センター内のアカマツ林とシラカバ林で、外生菌根とイチヤクソウ型菌根の野外観察と採取を行いました。菌根を実際に自分の手で探してみようとすると、掘る場所の選び方や堀り方に、ちょっとしたコツがあることを実感しました。午後からは、採取した菌根の切片を作製し、顕微鏡観察を行いました。教科書でよく見る構造を自分の目で確認することができたのと同時に、一口に外生菌根といっても、種類によってずいぶん形態が異なるのだなと感じました。また、切片の作り方、観察するときのポイントなども詳しく教えて頂き、大変有り難かったです。観察の合間にも、菌根と菌根菌について様々な情報をいただき、大変充実したワークショップになったと思います。山田先生有難うございました。参加頂いた皆様には、ワークショップを円滑に進めるためご協力いただき有難うございました。なお、会計上は、予定していた出費がかなり抑えられた関係で、参加者には2,000円の割り戻しを行いました。

2.菌類観察会 報告

期 間: 平成18年9月9日(土)〜10日(日)
観察地: 筑波大学菅平高原実験センター
宿 泊: プチホテル・ゾンタック
担当幹事: 服部 力、浅井 郁夫
日 程: 9月9日(土) 13:00〜14:00 観察会受付(菅平高原実験センター)
14:00〜17:00 観察会第一部(同上)
17:30〜18:00 観察会受付(ホテル/第一部不参加者のみ)
19:00〜21:00 夕食&懇親会
 9月10日(日)  7:30〜 8:00 朝 食
8:30〜 9:00 菅平高原実験センターに移動
9:00〜12:00 観察会第二部(および顕微鏡実習)
12:00〜14:00 昼食と鑑定会
14:00〜15:00 鑑定会・閉講

 9月9日(土)〜10日(日)、2006年度日本菌学会関東支部菌類観察会を長野県上田市の筑波大学菅平高原実験センター構内で行いました。

 今年の観察会では、顕微鏡を使える環境を重視して、筑波大学菅平実験センターで行われました。参加者各自が自ら採取した菌類を、自分の目で直接検鏡し、同定作業に関わっていただこうという狙いがありました。
 かつて日本菌学会、そして関東支部などが菌類採集会を始めた頃には、まだアマチュア団体などが未成熟でした。しかし昨今は、秋ともなると各地で採取集会が行われるようになりました。一部のアマチュア団体を除けば、採集品の鑑定に顕微鏡を使うことはなく、ただ外見だけによる同定方法が採用されています。
 いやしくも「学会」を名乗る観察会が、採集されたきのこを外見だけで同定していてよいのだろうか。広く行われているアマチュア団体による鑑定会はかなり高レベルになっており、旧来のままのやりかたでは、菌学の進歩・普及には貢献できないのではあるまいか。それが、今回顕微鏡を表面に出してきた大きな理由です。
 開始前日までに不参加になった方が一名おりましたが、一件のドタキャンもなく、予定時刻には夕食兼懇親会を始めることができました。今年は、具体的日程・場所などの発表が遅れてしまったこと、各地のきのこの会の観察会・例会などの日程と重なってしまったことなどあり、参加者は例年に比較してかなり少なく、総勢23名となりました。

 初日の観察会第一部は、菅平実験センター構内で行われました。第一部参加者は既にワークショップでの実習の際に、きのこの発生の悪さを痛感していました。今年の菅平は異常に気温が高く、きのこの発生は例年になく悪く、思わぬ蚊の襲撃に悩まされました。ただ、きのこ以外の菌類では思わぬ成果もありました。
 第二部からの参加者は、当夜の宿舎であるプチホテル・ゾンタックで受付を済ませました。この日の夜は、全員でバイキング方式の懇親会を行い、参加者一同親交を深めました。第一部からの参加者の声を聞いたからでしょう。第二部からの参加者から、「第一部と第二部の採集地が同一場所というのはいかがなものだろうか。前日と同じ場所ではなく、どこか別の場所で第二部観察会を催したらどうか」という意見もありましたが、今回は見送りました。
 翌10日の観察会第二部は、当初の予定通り筑波大学菅平実験センター構内で行いました。朝から顕微鏡観察をする参加者、元気にフィールドに出る参加者がいましたが、何人もが長時間室内で、顕微鏡観察を続けていました。こういう現象はいままでは全くみられなかったことです。改めて顕微鏡観察の面白さを知ったとの声がいくつもありました。
 あまり集まらないのではと危惧していましたが、かなりの数のきのこが集まり、中にはツノシメジなどの珍菌などもありました。きのこが少なかったことや、目の前に何台もの顕微鏡が並んでいることもあり、図鑑との絵会わせに走る参加者がほとんどいなかったことが目立ちました。鑑定にあたっても顕微鏡がよく使われていました。
 昼食後は、同定作業に従事する方、顕微鏡観察を続けるかた、再度フィールドに出ていく参加者などがありました。とても暑くて蚊に悩まされた2日間でした。午後2:00に鑑定会も終わり、全員でセンター前で記念撮影をし、解散しました。
 なお、懇親会費用が思いがけず安く済んだこともあり、参加者には1,000円の割り戻しを行いました。迷子も、ひとりのけが人もなく今年も無事に観察会を終了できたことを感謝します。

採取種:39種


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