この度、第12期の会長として平成21年度、および22年度の2年間を務めさせて頂くことになりました。畑中信一初代会長に始まる歴代会長の宮治誠、中村重正、勝屋敬三、杉山純太、徳増征二、安藤勝彦、奥田徹の先生方のことを思うと、菌学の研究を40歳近くなってから始めた私にとりましては、いずれも大先生に当たる方々ばかりで、まさしく身の引き締まる思いがいたします。ただ、優秀な幹事諸氏に恵まれておりますので、幹事諸氏と手を携えて会の発展に尽くす所存でございます。
日本菌学会関東支部が1987年に発足してからこの4月で22年が経過したことになります。この間、菌学を取り巻く環境の変化には目をみはるものがあります。バブル経済の崩壊、国立大学や国立研究機関の独立法人化、インターネットの発達は、少なからず学会活動に影響を及ぼしています。
また、遺伝子組み換え技術の普及は、菌類の系統・進化・分類・生態・生理といった分野に飛躍的な発展をもたらしただけでなく、動物や植物といった他の生物群を対象とする生物学の諸分野と共通の思考法で菌学の研究を行う時代が到来したこと意味し、関連諸分野との交流の重要となって来るでしょう。
関東支部では、目まぐるしい時代の変化に対して、支部の特長を生かしてに対応して行きたいと考えています。特長の第一は、幅広い活動基盤をもつ幹事による小回りの効く企画の運営です。この事は、学会間の横の繋がりを可能にし、新鮮な情報を会員各位に提供してくれるでしょう。また、現在は、年次大会、子供のためのサマースクール、菌類観察会、菌学ワークショップ、年末シンポジウム、ウェブサイトの運営は定例の企画で、それぞれ形態はそれぞれ異なりますが、新たなトピックスへの即断即決の企画の立案を可能にしています。
第二の特徴は、大学・国公立の研究機関の研究者、民間企業の研究者そしてアマチュアの三位一体となった支部会員の構成です。会員の皆さんが各々特異の分野で活躍することの出来る場を提供して行きたいと考えています。
そして、第三は、質の高い企画の提供です。第11回のGams先生よるAcremoniumについて、また、第21回のSamuels先生によるHypocrealesについてのワークショップなど海外から著名な講師を招いての企画なども関東支部ならではのものと思います。また、出版企画として、勝本謙先生による「菌学ラテン語と命名法」、そのCD-ROM化などどれだけ会員の論文作製に貢献したか計り知れないものがあります。そして、今年度は、勝本謙 編・著 安藤勝彦 編「日本産菌類集覧」を出版する運びとなりました。きっと、会員各位の座右の書としてお役に立つこと思います。
今年度の活動予定は、ホームページに掲載してありますが、この他に、取組まなければならない事として、国際学会へ参加する若手研究者の支援があります。本年には台湾でのAsian
Mycological Congress, 来年英国エジンバラでのInternational Mycological Congressへの参加補助を行いたいと考えております。
最後に、関東支部は幹事の斬新なアイデアと献身的なボランティア精神によって支えられています。会員皆様のご支援を賜ると同時に、様々な企画に積極的に参加されて支部の一層の発展のためご協力をお願い申し上げます。