質問:地震を予知するということは、どのようなことを指しますか? また「地震予知」と「地震予測」とは、どう違うのでしょうか?
回答: 地震予知とは、「地震の発生時間」「地震の発生場所」「地震の 大きさ(マグニチュード)」の3つを地震発生前に判断することができる事、 と考えられています。一方、地震予測のほうは、地震予知に較べて、一段確度の 下がった推定の意味で用いられています。
補足:「地震の発生時間」「地震の発生場所」「地震の大きさ(マグニ
チュード)」の3つの内、いずれかの要素を曖昧にするだけで、地震情報として
は意味のないものになってしまうことがあります。特に日本の場合、大小含めて
たくさんの地震が毎日、様々な場所で発生しているためです。[例えばFAQ1-5を参照してください。]
政府(地震調査研究推進本部)は、日本各地の地震危険度について、科学的調査・
分析に基づいて「長期予測」をする作業をしています。例えば、「宮城沖(発生
場所)」「マグニチュード7.5前後(地震の大きさ)」は、2020年末まで
(地震の発生時間)に発生する確率が約80%との算定をしています。このよう
な「地震の発生時間」に対して曖昧な情報は、短期的な地震回避行動(たとえば、
地震前に避難する、地震直後の火災防止のためにガスの供給を調整する、など)
には役に立ちませんが、長期的な防災計画を策定する上で、有用な情報となりま
す。
また、前述の短期的な地震回避行動を起こすことが出来るように、気象庁では、
東海地震に限定して、「2,3日以内」の直前予知をするための体制を取ってい
ます。
質問: 国レベルで「地震予報」をやっていますか? やっているならどう いった情報からそのような予報をしているのでしょう?
回答: 「地震予報」というのは現在のところ行っていません。時間を指 定した短期的な予知は, 現在の技術では「ほとんど」できないと考えられている からです。ただし、気象庁は東海地震に限定して、「2,3日以内」の直前予知 をするための体制を取っています。FAQ4-3や、気 象庁のホームページ(http://www.kishou.go.jp/)を参考にし てみて下さい。
質問:地震予知はどの程度あてになるのでしょうか?
回答: 日本で唯一予知できる(前兆現象検出+地震前の災害対策実
行ができる)可能性のある東海地震ですら、必ずしも予知できるとは限りません。
阪神・淡路大震災を引き起こした1995年兵庫県南部地震のようなM7クラスの内
陸の浅い部分で起こる地震(いわゆる「直下型地震」)の予知はさらに困難です。
加えて、それより一まわり小さいM6.5クラスの「直下型地震」は、日本のどの
場所でも(活断層の有無に関係なく)起こる可能性があり、この程度の大きさの
地震の予知(FAQ 2-4 で述べたプレスリップに伴う地殻変
動等の現象の地震前の検知)は現状ではほとんど不可能と考えられています。M
6.5程度でも浅い地震の場合、その直上では震度6弱以上になり得ます。たとえば、
東海地震が発生しなくても、M6.5の浅い地震が発生して、静岡県で大きな被害
が生じることも有りえるわけです。
したがって、結論からいうと、地震予知を過剰に信頼してはいけないと思いま
す。地震は唐突にやってくるものと理解し、それに対する日頃の備えをしておく
のが一番大切です。 その上で、地震予知もなされれば幸運であると考えておく
べきだと思います。たとえば、静岡県は、東海地震に対して、地震予知ができた
場合とできない場合それぞれに対して、 被害想定
(な
ゐふる27号(2001年9月号)参照)をおこなっています。(K)
補足: FAQ2-14 でも示しましたが、日本では、 東海地震以外に、予知できる体制ができている地震はありません。(K)
質問: 現在の地震学で期待されている地震の前兆現象について教えてください。
回答: 地震は、地下深部で生じる断層運動(ある面を境にした食い 違い、高速なすべり)です。その場合、大切なのは、その面(断層面)上でのす べりを支配する法則(摩擦構成則とよびます)です。摩擦構成則に関する最新の 成果によると、断層面は突然に高速にすべり出すのではなく、ある場所でゆっく りとしたすべりが発生し(その場所を破壊核または震源核とよびます)、それが 拡大し、そのすべり量がある大きさ(臨界すべり量と呼びます)を越えたとき高 速すべり(地震)に移行することがわかりました。このような、地震前のゆっく りすべり(プレスリップと呼びます)の存在は、岩石実験やコンピューターシミュ レーションでも確認されています。この破壊核形成(プレスリップ)によって生 じる地殻変動およびそれに伴う現象が現在の地震学では、前兆現象としてもっと も有望です。(K)
質問:井戸水の異常と地震や火山噴火とは関係があるのでしょうか?
回答:井戸水(地下水)は、(1)降雨・気圧・揚水(人工的な地下
水使用)の影響を受けますが、(2)地面の微小な伸縮(ひずみ)や地下深部の
水圧変化の影響を受ける場合もあります。
(1)や(2)の要因に対する地下水の変化の仕方は井戸によって異なりますが、
(1)の要因による変化が少ないか容易に除去できる井戸であって、(2)の要
因による地下水変化が大きい井戸ならば、井戸水の異常と周辺の地震・火山活動
とが関係する場合があります。地震や火山噴火前に地下水(あるいは温泉水)が
変化したという報告がある場合、(1)の要因に対する吟味が十分なされている
かどうかを確認することが重要です。
(K)
補足:
質問:地震予知を行うために、地震の前兆とされる現象のメカニズム を解明する必要はあるのでしょうか?
回答: ある現象の検出に基づく地震予知の手法が,十分な数のデー
タによって確立・検証されていれば(すなわち経験則として確立されていれば)、
地震予知は可能なはずですから、地震の前兆現象のメカニズム解明は、地震予知
にとって必ずしも必要ではありません。しかし、以下の理由で地震予知に関する
経験則の確立には時間がかかると考えられます。
被害をもたらすような大地震については,その発生頻度が低いため(M7クラ
スなら日本周辺で平均して1年に1度程度)、多数のデータを取得することが困
難です。 よりたくさん起こる小さめの地震(M5クラスなら、日本周辺で1年
に平均して50〜100回程度は起こる)で仮に経験則ができたとしても、 前兆現
象のメカニズムがわからない以上、その手法をより大きな地震に適用してよいか
どうかの判断をするためには、結局大地震を経験することが必要となります。
このような背景があるため,経験則の確立とそれに基づく地震予知の実現を目
指すよりも、その現象の発現メカニズムの解明に努力したほうが、 結局は実用
的な地震予知の近道だと多くの地震学者は考えているのです。(K、H、M)
補足1:何百ものデータから経験則が確立され、それが何百ものデー
タから検証されれば、経験則として、ある程度は予測に役立てることができます。
実際、地震の規模別頻度分布の特徴を示す Gutenberg-Richter則(G-R則)も、
余震発生率の時間変化を示す改良大森公式(およびそれを高度化したETASモデル)
も、経験則ですが、余震の発生確率予測の根拠として使用されています。(M)
余震の発生確率予測について、詳しくは、 http://www.jishin.go.jp/main/index.htmlの「報告書・会議資料」⇒「地震調査委員会関係」⇒「余震確率評価手法 余震の確率評価手法について(平成10年4月8日)」をご覧下さい。
補足2:地震の数とマグニチュードとの関係については、 http://www.hinet.bosai.go.jp/about_earthquake/1stpage.htmの、第1部 の1.2「マグニチュード」の所の図1.6とその前後により詳細な説明がのっていま す。なお、上記ホームページは、地震の基礎知識と観測について詳細に解説され たもので、もし、可能であれば全体を読まれることをおすすめします。補足1に 示したG-R則や改良大森公式についても説明が載っています。
補足3: 地震は毎日無数に発生していますので(FAQ1-5参照)、(地震とは全く無関係な)何らかの 観測データに異常が出た後でも、かならずどこかで地震が発生します。いくつか の偶然が重なるとその観測データと地震との間に何らかの因果関係があり、その データに基づく予知があたっているように見えることがあります。予知が当たっ たかどうかは,予知する地震の規模・場所・発生時間の幅をどのように定めるか に依存しますから、相当の事例を重ねても、その手法が本物かどうかの判断がつ かないことがあります。これは過去の地震予知研究において地震学者が学んでき た苦い経験です。 (K)
補足4: たとえば、最近話題になっている地震前の電磁波等の異常 を例にとってみましょう。電磁波には、雷や太陽活動の活発化(いわゆる磁気嵐) といった自然に原因のあるものに加え、自動車・工場・携帯電話・パソコン・道 路工事・建設工事等の人間活動に付随する多数の発生源があります。そういった、 明瞭な発生源に対する吟味が不十分なまま、電磁波等の発生源かどうかもよくわ からない地震に、異常の原因を求める研究者に地震学者は危うさを覚えるのです。 すべての電磁波等の発生源を吟味することは実際問題として難しいでしょうから、 検証可能なメカニズムを示すことを地震学者は求めるのです。FAQ2-10も参考にしてください。(K)
補足5: 十分なデータ蓄積を待たずに、応急的にそれまでの経験則か ら予知を実施することも場合によっては意味があるかもしれませんが、責任ある 機関(例えば政府や自治体)がそのような予知情報を出して、それがはずれた場 合には、予知情報を出した根拠を問われ、それが説得力を持たなければその機関 の責任が追求されることになります。十分なデータに基づく経験則か、原理が明 らかになっている法則を用いなければ、責任ある機関が予知情報を出すことはか なり困難です。(M)
質問:地震予知はあてにならないのに、地震予知のための観測や研究 をする価値はあるのでしょうか?
回答: 地震予知ができれば、予知ができない場合に比べて多数の人
命や財産が救えます(なゐふる27号
(2001年9月号)
の静岡県の東海地震被害想定参照)。したがって,地震予知のための観測や研究
は、地震災害の軽減に大きく役立つことになります。予知ができなければ、(学
問的な価値は別として)、これらの観測や研究は地震災害の軽減には役立ちませ
ん。このような事実をどのように評価するかで答えは変わってきます。前者の価
値を重んじる人は、たとえ、予知が困難であっても観測や研究を続けるべきだと
考えるでしょうし、後者に重点をおく人は、地震予知の研究や観測はやめるべき
と判断するでしょう。
地震災害を軽減するために、耐震強化等を着実におこなうべきという考え方にお
いては、地震予知研究に賛成する人も反対する人も一致しています。それに加え
て、地震予知のための観測や研究も(相当の予算を費やして)おこなうべきかど
うかというところで意見が食い違います。
地震予知のための研究や観測の予算は、大部分が国費(国民の税金)によってお
こなわれていますので、地震予知研究に関する十分な情報の開示を前提に、判断
は国民にゆだねられているといえます。(K)
質問:地震はランダムに発生しているので地震の予測は原理的に不可 能だという話を聞きました。本当でしょうか?
回答:ここで言われている「地震の予測」というのは「長期予測」の
意味であると判断して答えます。
この質問については地震研究者内でも意見が分かれます。地震は空間的に広い範
囲かつ時間的に長い期間をとって調べてみるとランダムにおこっているように見
えます。他方、ある狭い領域に限って現在知られているデータについて調べてみ
ると特定の大きさの地震が周期的に発生しているように見える場合があります。
前者に関しては、地震研究者の認識
は一致しています。後者をどのようにとらえるかで長期予測が可能ととらえる人
と不可能ととらえる人に別れます。地震の長期予測が不可能という人は前者を重
視し後者は「見かけ上のものにすぎない。」と主張しますが、長期予測が可能と
いう人は、「後者を見かけ上のものとは断定できない」と主張します。この論争
の決着はついていないのが実情です(補足参照)。(K)
補足:この論争は、観測データを用いた統計的検討だけでは決着がつ
きません。従って、物理モデルに基づく理論的考察が必要となります.単純な物
理モデルで考えると,地震発生域の大きさが有限であるかぎり、その場所で起こ
る最大規模の地震については(それより小さい地震の発生の仕方はランダムであっ
ても)、周期性が必ず出てきます。
この結果は、ある場所で発生する小さい地震については長期予測不可能でも、そ
の場所で起こる最大規模の地震に関しては長期予測可能ということを意味します。
一方,実際の地球内部は不均質でより複雑ですので,この物理モデルの示す結果
がどの程度まで実際に適用できるのかについて現在研究が進められています。
なお、上記のような考察に基づいて、ある地震の長期予測に成功した例がな
ゐふる31号(2002年5月号)
に掲載されています。そちらも参考にしてください。(M、K)
質問:「明日、北海道で地震が起こる」と聞いたのですが、本当でしょ うか?
回答:日本では毎日、さまざまな地域で地震が起こっています。「明 日、北海道で地震が起こる」という情報は、あたっても当たり前のことなので、 地震予知情報としては、ほとんど意味のないものです。また、以下のようなもの も意味のない、あたっても当たり前の地震予知情報の例です。
理由はFAQ1-5、 FAQ1-6 などを見て、皆さんで考えてみてください。 日本は地震大国ですので、不必要に恐れることはありませんが、地震に対する不 断の備えはたいへん重要です。
質問:ホームページや雑誌などで時々出る「地震予知情報」の信頼性 についてどのように判断すればよいのですか?
回答:私は下記のような判断基準をつかっています。1は論外として
も、興味本位の「地震予知情報」は2番すら満たしていないことが多いです。ま
た、地震学を専門としない方が発する「地震予知情報」では、3番が無視されて
いる例がかなりあります。4と5は地震予知のための観測・解析における基本的
な態度を示すものですが、これらを満たすと相当信頼性は高いです。6や7は地
震予知研究というより科学的な原則を示すものです。なお、将来出されるであろ
う「東海地震予知情報」では、1〜7をクリアすることは当然ですし、そのため
の体制が組まれています。地震予知の他のFAQ、
東海地震のFAQも参照してください。 (K)
判断基準
1・発表された地震予知情報の問い合わせ先が明示されているか?
2・地震予知情報の3要素(いつ、どこで、どのくらいの)が明示されているか? (FAQ2-1参照)
3・上記3要素(誤差を含む)が現在の地震活動から見て情報として有用であるか?(FAQ2-9参照)
4・予知情報の根拠となるデータの観測期間は十分な時間であるか?
5・異常の出ている期間だけではなく、観測期間全体のデータが表示されているか?観測期間全体のデータが示されていないときは、ノイズレベル(通常の変化の範囲)が示されているか?
6・予知情報の根拠は、第3者が独立な観測で検証を行なうことが出来るものか?
7・地震と異常現象を結びつける仮説が提唱されていて、それが一般的な科学原則に従うものか?また、それが、第3者の独立な観測で検証可能なものであるか?
補足:4・少なくとも1年、できれば2年以上のデータが欲しい。自
然現象を連続的に観測すると、地震とは無関係な日変化や季節的な変化があるの
が普通なので、それを把握しておく必要があるからである。また、観測点は同一
形式のものが複数ある方が信頼性が高い。
5・下記についての情報が示されているとさらに信頼性が高いと考えられます。
5-1観測データを擾乱する地震以外の要因(雨・気温・気圧変化や人為的要因)
について吟味がなされている。
5-2(a)地震が発生したのにデータが異常を示していない例、 (b)地震が発生
していないのに異常を示している例、 (c)地震が発生して異常を示した例、 (d)
地震が発生していなくて異常を示していない例、のそれぞれを確認できる。
5-3地震が発生すると判断する基準が一定で、客観的に数値化ないし文章化されている。
質問:近いうちに大地震がおこると週刊誌に書いてありますが、本当でしょうか?
回答:地震の発生時間」「地震の発生場所」「地震の大きさ(マグニ
チュード)」のいずれか、あるいはいずれも曖昧な場合、情報としての価値はあ
まりないものと思います
(FAQ 2-1 補足、FAQ 2-9参照)。
もし「地震の発生時間」「地震の発生場所」「地震の大きさ(マグニチュー
ド)」の3つ全てが明確に示され、特に地震の発生時間について2,3日
以内の範囲で限定している場合は、気象庁が東海地震に関連して発表するものを
除いて、科学的根拠は薄いものと思われます。地震予知については、科学的な観
測や解析手法はまだ十分に
確立されたものになっておらず、現在も試行錯誤の取り組みが続いているためです。
質問:地震前に地震雲が現れるという話をよく聞きます。本当でしょうか?
回答:地震研究者の間では一般に、雲と地震との関係はないと考えら
れています。地震の前兆としての「雲」に関する研究は,過去に何度か発表され
たことがあるのは事実で,雲と地震の関係が皆無であると断言はできません。し
かしながら,過去の報告例は大地震の前にたまたま特異な雲の形態をみたことで,
地震と特異な雲の形態を結びつけてしまうケースが圧倒的に多いのではないかと
考えられています(その一方,地震が起きなかった場合には雲のことを忘れてし
まいます)。
雲はその場の大気の状態や付近の山岳などの地形次第で、人間の目にはときに無
気味な姿や謎めいた形となって、さまざまに現れます。従って、例えば竜巻状や
放射状や断層状に見えたとしても、 それが地震前兆なのかどうかを疑う前に、
低気圧が接近中だったり近くに存在していないか、前線はないか、気圧の谷が上
空を通過していないか、高さによって風向が食い違っていないかなど、
まず気象の面から十分に検証することが大切です。
FAQ2-10もご覧下さい(S,K)。
補足1: 一般の地震研究者が,雲と地震との関係はないと考える理由
1.地下の現象である地震と、大気中の現象である雲とを直接・間接に関連付ける
メカニズムが考えられていないことです。地震雲を説明する際に、地震の前
の岩石の微小破壊による電磁波の発生が用いられることがありますが,微小破壊
で電磁波が発生することはありえるとしても,地下深くで発生した電磁波が
地表に伝わるしくみを十分に説明した学説はありません。さらに,地表に電磁波
が伝わったとしても,その電磁波によって地震雲が生じるしくみを十分に説明し
た学説もありません。
2.メカニズムが不明でも、「地震雲」の定義が明瞭で,一定の基準で認定された
「地震雲」と大地震との対応例が多数報告されていれば、経験的あるいは統計
的に「雲」を地震の前兆と捉えることが可能ですが、実際には,報告されている
「地震雲」のほとんどは,その定義が補足2にも示すように不十分・不明瞭で統
計的な検討が困難です(N,K)。
補足2:一般の気象研究者も「地震雲」には否定的です。その理由は, 報告されている「地震雲」のほとんどが,飛行機雲,あるいは,巻雲・巻積雲や 層積雲の変異パターンとして (つまり,「通常の雲」として)説明可能だからです。たとえば,「くものてび き―十種雲形について」(著者:湯山生 (著), 日本気象協会気象情報部)や 「雲・空」 (著者:田 中 達也 (著),山と渓谷社)という本に,(通常の気象条件で説明 できる)種々の雲の形がのっており,その中には,過去に「地震雲」とされてき た雲 に酷似した 「普通の雲」が載っています(S,K)。
補足3:「飛行機雲は成層圏あたりの高層に出る。中層に現れるそれ
は地震雲である」という説もあるようですが、特に夕方などは太陽光線の具合に
よる上層の雲のコントラストなどで、
実際より低く見える場合が多くあります。首都圏では、羽田・成田・横田基地等
の飛行場があるので、離着陸する多数の航空機があり、飛行機雲に出合いやすく、
その分高度の見誤りの可能性も
高まります。従って、首都圏は、地震雲とされる飛行機雲を発見する可能性の高
い場所ともいえます。
3-2.「交差する筋上の雲が地震雲である」という説もあるようですが、当然
のことながら飛行経路が交差すれば、飛行機雲が交差して「交差する筋上の雲」
ができあがります(S,K).
質問:知り合いで関東大震災が起きる予知夢を見た人がいます。日時はあさってです。本当でしょうか?
回答:関東地震は数百年に一度発生する程度の地震で,前の地震から まだ80年ほどしか過ぎていないことを考慮すると、そのような関東地震は起こる 可能性は低いでしょう。 ただ、南関東では直下型のマグニチュード7クラスの地震 (FAQ 1-10参照)がいつ発生してもおかしくないとさ れていますので、普段から地震防災を心がけておくことは大切なことです。
質問:最近、日本での地震観測点が増えているので、東海地震以外でも予知できる地震はあるのではないでしょうか?
回答: 一般の方にとって、地震予知に意味があるのは、それによっ
て震災が軽減されることです。したがって、一般の方にとって、地震予知は前兆
現象を(本震発生前に)検出することだけでなく、それに基づく災害軽減策実行
(公的な情報通知を含む)がなければなりません。医療行為に例えると、前兆現
象検出が「診断」で、災害軽減策実行が「治療」になります。
確かに、1995年兵庫県南部地震以降、地震等の観測点は飛躍的に増えましたが、
観測点密度の高さでは東海が一番上であることに加え、過去の観測データももっ
とも豊富です。公的機関による24時間監視がなされているのも東海地域のみです
から、「本震前の前兆現象検出」は、東海地震以外では難しいです。次に、東海
地域以外では、この前兆現象検出と災害軽減策実行を結びつける組織的な体制
(法的整備も含める)が存在しません。
以上のことから、東海地震以外の地震については、地震予知(=前兆現象検出+
それに基づく公的な情報通知等の災害軽減策実行)は不可能と現時点では考えて
おくべきだと思います。(K)
質問:2003年十勝沖地震(2003年9月26日発生、M8.0)では、プレス リップは検出されたのでしょうか?また、その結果は東海地震予知の根拠にどの ように影響しますか?
回答:2003年10月21日に臨時地震予知連絡会が開かれ、地震直前にプ レスリップがあったかどうかの検討がなされましたが、検出できなかったという のが結論です。十勝沖地震は、想定東海地震とは場所、過去の履歴や観測点の密 度が異なりますが、同じタイプの(海溝型)地震です。十勝沖地震でプレスリッ プが検出されなかったということは、東海地震でもプレスリップが検出されない 可能性がある(つまり予知できない可能性がある)ことを示したといってよいと 思います。(K)