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三輪眞木子、村主朋英(以上、研究分担者)
柴田正美、竹内比呂也、辻慶太、吉田右子(以上、研究協力者)
図書館情報学教育班は、2004年度は既に4回の研究会(表1参照)を開催。
2003-2004年度に実施した図書館情報学および司書課程・司書教諭課程開設大学のケーススタディ結果を踏まえ、2004年度には司書課程・司書教諭課程(司書教諭資格科目を含む)開設大学の初学者意識調査(アンケート調査)、実態調査(アンケート調査)、司書課程担当教員(専任・職員・非常勤を含む)の意識調査(アンケート調査)を実施した。
また、図書館情報学、司書課程、司書教諭課程(司書教諭資格科目を含む)担当教員の業績調査を実施している。
さらに、昨年度から実施している図書館情報学教育制度の変遷を明らかにする年表作成を継続した。
2005年2月12日に、第11回研究会を予定。
表 1:2004年度の教育版研究会の概要
| 日時 | 場所 | 概要 |
F2004/4/24(土) 13:30-15:30 | 慶大三田 | ケーススタディ追加調査の計画司書・司書教諭資格希望者の意識調査(初学者調査)の進捗状況報告司書・司書教諭課程開設大学の実態調査(機関調査)計画の立案司書・司書教諭課程担当教員の意識調査(教員個人調査)計画の立案日本図書館情報学会春季研究集会要綱原稿の検討 |
G2004/8/23(月) 13:00-21:00 2004/8/24(火) 10:00-16:00 | メディア教育開発センター | 9月18日LIPERシンポジウム報告原案の検討ケーススタディ追加調査結果の報告と仮説リストの検討初学者調査結果中間報告機関調査アンケート票検討教員個人調査アンケート票検討年表報告教員業績調査中間報告 |
H2003/11/12(金) 18:30-21:30 | 国立情報学研究所 | 初学者調査結果中間報告と結果の検討機関調査に関する中間報告教員個人アンケートに関する中間報告 |
I2003/12/17(金) 18:30-21:30 | 国立情報学研究所 | 初学者調査結果報告機関調査結果中間報告教員個人調査日程の検討年表作成作業と仮説に関する検討 |
D2005/2/12(土) 11:00-14:00 | 東大 | 初学者調査結果報告の検討機関調査結果に関する検討教員個人調査結果の中間報告年表作成作業の中間報告 |
図書館情報学教育班の2003年度-2004年度に、図書館情報学課程または司書課程(司書教諭課程を併設しているものを含む)を開設する計16大学を対象に、インタビューおよび資料分析を併用したケーススタディを実施した(2004年図書館情報学会春季研究集会にて中間報告)。
インタビュー結果の分析に基づき、仮説を立てた(2004年9月18日のLIPERシンポジウムで報告)。
3.1 調査の概要
2004年5月から8月にかけて、日本全国20大学の司書課程・司書教諭課程の初学者約1,901名を対象に、初学者アンケート調査を実施した。
調査対象大学は、ケーススタディに協力した大学を中心にスノーボールサンプリングにより選定した。
調査対象者は、司書課程・司書教諭課程(司書教諭資格科目を含む)を初めて履修する学生をターゲットとしたが、実際にはすでに数科目を受講した学生も含まれる。
3.2 調査結果の概要
- 無効票を除くと、有効回答は1,810件。
- 司書課程の受講動機に、図書館員をめざす学生と資格取得に関心のある学生の二極分化傾向が見られる。
- 回答者は図書館に対してポジティブ(明るい、知的な、開放的)なイメージを持ち、図書館経験が司書教諭資格取得への態度や意欲に影響を及ぼしていると認識している。
- 資格取得を思い立ったのは、全体では「大学入学後」が最も多かったが、図書館情報学専門課程の学生では、高校生が多かった。
- 司書・司書教諭資格以外の資格では、司書課程の学生では「パソコン検定」が多い。司書教諭資格取得を目指す学生は「教員免許」が100%。
- 司書資格取得希望者は、「本が好き」な者が90%以上。
- 「図書館」で思い浮かべるものは、「近くの公共図書館」が多いが、司書教諭資格取得希望者は「大学および中高の図書館」が若干多い傾向がみられた。
- 「図書館」は「調べものをするところ」と答えた学生は、男性が女性より多い。
- 図書館情報学専門課程受講者は、その他の学生と比較して、図書館は「様々な情報を入手するところ」と答えた者が多く、「本を借りるところ」と答えた者が少ない。
- 司書資格取得希望者は、希望しない者と比較して図書館のイメージが「明るい」と答えたものが多い。
- 将来の職業との関連では、司書資格取得希望者が「少しでも学んだことを生かせる職場」と答えた者が多い。
3.3 調査結果の分析と報告
調査に協力した大学には、各大学の単純集計結果を送付した。
協力大学の一部から、結果を公表したいとの意向が提示され、一定の条件の下で公表することを認めた。
調査結果のクロス集計を実施し、傾向に関するより深い分析を進めた。
また、調査結果を2005年日本図書館学会春季研究集会で報告する。
4.1 調査の概要
2004年10月15日に、司書課程(通信制を含む)、司書講習、司書教諭課程(通信制・司書教諭資格科目を含む)、司書教諭講習を開設している日本全国の296大学学長宛に調査票を送付した。
調査対象大学は、「日本の図書館情報学教育2000」、「司書講習相当科目の単位認定大学一覧」、「平成16年度司書及び司書補講習実施大学一覧」、「司書教諭講習一覧(官報告示用)」を参考に選定した。
4.2 調査結果の概要
【全体の結果】
- 2004年12月末までに計231大学から回答を得た(回答率=78.0%)
- 回答大学のうち、司書資格のみを提供しているものが58大学、司書教諭資格のみを提供しているものが45大学、両方の資格を提供しているものが128大学であった。
【司書資格に関する単純集計結果】
- 2003年度の修了者数は、司書課程計7,180名、司書講習計1,309名、通信制司書課程計771名で、合計は9,260名。回答率78%から逆算すると、少なくとも1万人以上が司書資格を取得。
- 1996年の省令改正に伴う「開講科目の改訂」を除き、それ以降にカリキュラムの改訂をしたものは、52大学(28.0%)。
- 司書課程必須単位数は、21-24単位が72大学(38.7%)と最も多く、25-29単位が56大学(30.1%)と続く。
- 司書資格科目履修可能学年は、1年次からが124大学(66.7%)で最も多い。
- 司書資格科目履修者への課金は、何らかの形で課金している大学が98大学(52.4%)。
- 図書館等における実習(単位あり)を実施:69大学(37.1%)。
- 電子メールや電子掲示板による学生とのコミュニケーションを実施:56大学(30.1%)。
- 夜間開講を実施:17大学(9.1%)。
- 図書館等におけるインターンシップ(単位なし)を実施:12大学(6.5%)。
- 大部分の科目でウェブを利用した教材は威信を実施:10大学(5.4%)。
- 講義課目の合併については、全ての1単位科目を1単位で実施しているもの47大学、一部の1単位科目を2単位で実施しているもの44大学、全ての1単位科目を2単位で実施しているもの22大学であった。
- 司書資格取得単位を卒業単位に認めるか否かについては、全て認めているもの25大学、一切認めていないもの59大学、一部の科目を認めているもの74大学であった。
- 司書課程に生じた教員数の変化については、専任教員と職員については過半数が変化なしだが、非常勤については暫増傾向がみられた。
- 司書課程学生数では、変化なし77大学、増加49大学、減少41大学であった。
- 卒業生の就職先の変化については、専任図書館員になるものは減少傾向が、非常勤図書館員になるものは暫増傾向が、IT関連企業社員になるものは暫増傾向がみられた。
- 司書資格の規定について学則や学部規則等に記載しているかどうかについては、学則や全学規則で規定しているものが151大学、課程や科目を設置している学部規則で規定しているものが15大学、学部の履修案内などで規定しているものが67大学であった。
【司書教諭資格に関する単純集計結果】
- 2003年度の修了者数は、司書教諭課程(司書教諭資格科目を含む)計4227名、司書教諭講習計5324名、通信制司書教諭課程(通信制司書教諭資格科目を含む)計228名で、合計は9,779名。回答率78%から逆算すると、少なくとも1万人以上が司書教諭資格を取得。
- 1998年の省令改正に伴う「開講科目の改訂」を除き、それ以降に司書教諭資格科目の位置づけ等について変化を生じたのは23大学。
- 司書教諭資格科目履修可能学年は、2年次からが66大学(38.2%)で最も多い。
- 司書教諭資格科目履修者への課金は、何らかの形で課金している大学が59大学(34.1%)。
- 電子メールや電子掲示板による学生とのコミュニケーションを実施:33大学(19.1%)。
- 学校図書館等における実習(単位あり)を実施:11大学(6.4%)。
- 夜間開講を実施:11大学(6.4%)。
- 大部分の科目でウェブを利用した教材は威信を実施9大学(5.2%)。
- 学校図書館等におけるインターンシップ(単位なし)を実施:3大学(1.7%)。
- 司書教諭資格科目取得単位を教職に必要な単位として全て認めているのは19大学、一切認めていないのは116大学、一部の科目を認めているのは21大学であった。
- 司書教諭課程に生じた教員数は、専任教員と職員にはほとんど変化がないのに対し、非常勤では暫増傾向がみられた。
- 司書課程学生数では、変化なしが64大学、増加が56大学、減少が30大学であった。
- 卒業生の就職先の変化については、専任教員および非常勤教員になる者が暫増、専任学校図書館員および非常勤学校図書館員になるものはほとんど変化していない。
- 司書教諭資格の規定について、学則や全学規則で資格の付与を規定しているものは104大学、課程や科目を設置している学部規則で規定しているものは12大学、学部の履修案内などで規定しているものは68大学であった。
4.3 調査結果の分析と報告
調査結果のクロス集計と分析を行った結果を、日本図書館学会春季研究集会にて発表する。
5.1 調査の概要
2004年12月10日に、司書課程(通信制を含む)、司書講習、司書教諭課程(通信制・司書教諭資格科目を含む)の科目を担当する専任教員、職員、非常勤教員計833名の個人宛に調査票を送付した。
調査対象者は、機関調査の結果および機関調査で回答を得られなかった大学については、ウェブ等で調査した。
非常勤者のあて先は、日本図書館情報学会名簿、三田図書館・情報学会名簿、情報メディア学会名簿等で調査した。
2005年1月27日までに、計322名から回答を得た。
あて先不明等もあるため、正確な回答率は不明であるが、約40%から何らかの回答が得られたものと推定される。
調査結果の単純集計を完了し、2005年度にクロス集計、分析を進める予定である。
年表を、司書養成に関する科目開講に関するデータとみなし、以下の仮説を設定し検証する。
- 仮説1:図書館に社会的関心が高まる(メディアなどで話題になる)と、科目開講・司書課程開設が増加する。
- 仮説2:図書館情報学教育についての「基準」などが大学の世界で議論されると、科目開講・課程開設が増加する。
- 仮説3:公共図書館の設置予定に応じて、同一地域内における開講・開設が増加する。
- 仮説4:図書館員の「需要と供給の論理」が存在する。
- 仮説5:学部・学科の増設が相次ぐと、図書館関係の科目・課程の開設・開講可能性が高まる。
2004年5月より、JSTのReaD、各研究者のHP、各大学の研究者DB、職員録等により研究者の経歴を、MagazinePlus、BIBLIS2により図書館情報学専門課程・司書課程・司書教諭課程を担当する教員の業績を抽出し、分析を行っている。
今後は、新たな名簿に基づき、追加された専任・非常勤の業績を確認する。
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